Google広告のVTC、「見た」の基準が1ピクセルに緩和!増える成果の正しい読み方

Google広告のVTC、「見た」の基準が1ピクセルに緩和!増える成果の正しい読み方

2026年10月、Googleはデマンドジェネレーション広告のディスプレイ広告について、ビュースルーコンバージョン(VTC)で広告を「見た」と判定する基準を緩めることを明らかにしました。これまでの「広告面積の50%以上が1秒以上表示」から、「1ピクセルでも表示されれば、表示時間を問わない」へ変わります。

変更は数週間かけて自動で適用され、広告主が設定を変える必要はありません。管理画面のVTCは増える可能性がありますが、数え方が変わったことによる影響が多少なりともあることは押さえておきましょう。本記事では、詳しい変更内容と数字の読み方を整理します。

※本記事の内容は、2026年10月時点の情報にもとづいています。

SUMMARYこの記事でわかること

ビュースルーコンバージョン(VTC)をわかりやすく言うと?

広告を見てクリックしなかったユーザーの後日の購入や問い合わせを、広告の成果として数える仕組み。広告が購入のきっかけになったことの証明にはならない。

VTC「見た」基準はどう変わった?

2026年10月、デマンドジェネレーションのディスプレイ広告で、VTCの「見た」基準が「面積50%以上・1秒以上」から「1ピクセル以上・時間不問」に緩和された。

VTC入札との重なりと注意点

新規キャンペーンではVTC入札が初期設定でオンのため、増えたVTCが自動入札に使われるおそれがある。VTCはクリック経由の成果や自社売上とあわせて評価することが大切。

ビュースルーコンバージョン(VTC)とは?

ビュースルーコンバージョン(VTC)は、広告を見たけれどクリックしなかった人が、後から購入や問い合わせをしたときに、それを広告の成果として数える仕組みです。例えば、広告を見た人がその場ではクリックせず、数時間後に自分で検索して購入した場合などが該当します。

VTCは、その広告が購入のきっかけになったと証明するものではありません。広告を見ていなくても、同じ人が購入していた可能性は残ります。

ビュースルーコンバージョン(VTC)の何が変わる?

デマンドジェネレーションのディスプレイ広告では、VTCの「見た」の基準が大きく変わり、スクロール中に広告の端が一瞬だけ映った場合も「見た」に含まれるようになります。

比較変更前(Active View)変更後
表示面積広告面積の50%以上1ピクセル以上
表示時間連続1秒以上時間を問わない

Googleは変更の理由を、デマンドジェネレーションの配信面ごとに異なっていた「見た」の定義を揃えるためと説明しています。実際、YouTubeなどを対象にしたVTC入札では、すでに1ピクセル以上の表示を「見た」とする基準が使われています。

なお、変わるのは「見た」の判定基準だけです。何をコンバージョンとして数えるかは変わらず、クリック経由のコンバージョンにも影響はありません。また、成果を広告に結び付ける期間(コンバージョン期間)の変更も伝えられていません。

VTC入札の変更と重なると何が起きる?

今回の変更で増えたVTCを、Googleの自動入札が本当の成果と区別できないまま、配信の調整に使ってしまう可能性があります。8月に、VTCを自動入札の判断材料にする「VTC入札」の仕組みも変わったためです。

8月の変更のポイントは2つあります。

  1. VTC入札がディスプレイ面でも使えるようになった(対象は動画広告のみ)
  2. 新しく作るキャンペーンでは、VTC入札が最初からオンになっている

これと今回の基準変更を合わせると、ディスプレイ面に出る動画広告では、実際の売上は増えていないのに、VTCが多く出る配信先へ予算が寄っていくことも考えられます。ただし、新しい基準がVTC入札にどこまで影響するかは、まだ明らかにされていません。

数字を正しく読むための注意点

今回の変更に伴う数値の変化を正しく読むために、以下のポイントを確認しておきましょう。

確認対象確認する内容
管理画面のVTCの推移数字が急に増えた時期が、基準変更の適用時期と重なっていないか
コンバージョンの内訳増えたのはクリック経由の成果か、表示経由(VTC)の成果か
新規キャンペーンの入札設定VTC入札が意図せずオンになっていないか
社内やクライアントへの報告資料数え方の変更が影響している可能性を明記しているか

変更の前後でVTCを単純に比べず、クリック経由の成果や自社の売上とあわせて評価することが大切です。変更は数週間かけて順次適用されるため、どの時点から数字が変わったのかが見えにくい点にも注意しましょう。

まとめ

デマンドジェネレーションのディスプレイ広告では、1ピクセル・一瞬の表示でも「見た」とみなされるようになり、VTCは増えやすくなります。広告主側の設定変更は不要ですが、その分、数字の変化に気づきにくい変更でもあります。

さらに、新規キャンペーンではVTC入札が初期設定でオンになるため、ディスプレイ面の動画広告では、緩い基準で数えたVTCが自動入札に使われる可能性もあります。管理画面の成果が増えたときは、まず「数え方が変わったのではないか」と疑い、クリック経由の成果や自社の売上とあわせて確認しましょう。

これからの広告運用では、管理画面の数字をそのまま信じるのではなく、その数字が何を数えているのかを理解したうえで評価することが欠かせません。社内やクライアントへの報告でも、数え方の変更が影響している可能性を共有しておくと、誤った判断を防げます。

FAQご相談前の疑問や不安を、少しでも軽く

この記事のテーマについて、読者の皆さまからよくいただくご質問をまとめました。
自社への導入や実践にあたって、気になる点があればまずはこちらをご確認ください。

  • Question 1

    VTCの増加が基準変更によるものか、どう見分ければよいですか?

    Answer

    コンバージョンをクリック経由とVTCに分けて確認します。売上が横ばいでVTCだけ急増していれば、基準変更の影響と考えられます。

  • Question 2

    初期設定でオンになっているVTC入札はオフにすべきですか?

    Answer

    獲得効率を重視する場合は、オフにするか少額で比較検証してから判断するのが安全です。新基準が入札に与える影響はまだ公表されていません。

  • Question 3

    広告が本当に売上に貢献しているかを確かめる方法はありますか?

    Answer

    配信地域や期間を分けた売上比較や、Googleのコンバージョンリフト調査で増分効果を検証します。広告費と売上の推移を並べて見るだけでも有効です。

  • Question 4

    社内やクライアントにはどう報告すればよいですか?

    Answer

    「基準変更でVTCが増えやすくなった」と注記し、クリック経由の成果とVTCを分けて記載します。評価の主軸は売上などの社外指標に置きましょう。

  • Question 5

    自社だけで検証や設定の判断ができない場合はどうすればよいですか?

    Answer

    効果測定に詳しい外部パートナーに相談するのも有効です。相談前にキャンペーン構成と売上データを整理しておくと、的確な助言を得やすくなります。

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WRITING 執筆

藤原 洋平

藤原 洋平

Google、Yahoo! JAPANを中心としたリスティング広告、Facebook、instagram、X(旧Twitter)、LINEを中心としたSNS広告、アフィリエイト広告、インフルエンサーキャスティングなど、webマーケティング全般を手掛ける。
これまで数多くのセミナー・ウェビナーに登壇。書籍「BtoBマーケティングの基本 IT化のインパクトを理解する12 の視点」(日経BP)を執筆。

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