【採用マーケ成功事例】ブランディングから始める自社採用の強化戦略

【採用マーケ成功事例】ブランディングから始める自社採用の強化戦略

「広告費を増やしても、応募数が伸びない」
「紹介会社経由だと採用コストが高くなりすぎる。でも自社採用に切り替えようとしても、うまくいかない」
上記のような、採用のお悩みを抱えている担当者は少なくありません。

実は、こうした悩みの原因は「どの媒体に出すか」「予算をいくら使うか」といった施策レベルの話ではなく、その前段階の設計に潜んでいることがほとんどです。

  • CV計測が正しく設定されておらず、どの施策が効いているかわからない
  • 求職者の不安を払拭できるコンテンツになっていない
  • 自社・業界特有の課題を理解しきれていない

このように、各施策に課題があればどれだけ広告を出しても応募には至らず、費用だけがかさむ結果になってしまいます。

本記事では、こうした課題を一つひとつ解決し、採用単価を約25%削減・月平均20件超の応募・毎月3名の安定採用を実現した、某エリア最大手タクシー会社様の事例をご紹介します。採用マーケティングの「何から手をつけるべきか」を考えるヒントとして、ぜひご活用ください。

採用マーケティングの重要性

採用マーケティングとは、求職者を「採用したい人材」ではなく「獲得すべき顧客」として捉え、認知から応募・採用・定着までの一連の流れを戦略的に設計する考え方です。

採用市場が激化する昨今、求人媒体への掲載や紹介会社の活用だけでは、思うように採用が進まないケースが増えています。特に紹介会社経由の採用は、1名あたり数十万円単位の採用手数料が発生するため、採用が続くほどコスト負担が重くなる構造になっていることが一般的です。

こうした課題を解決する手段として注目されているのが、採用マーケティングです。自社採用を強化できれば、紹介会社への手数料を削減できるだけでなく、自社の文化や価値観に共感した質の高い人材を獲得しやすくなります。

ただし、業界によって事情は異なります。

例えばタクシー業界では、「長時間拘束」「低賃金」「男性社会」といった古いイメージが一部残っており、それ自体が応募の壁になっているケースが少なくありません。そのため、広告配信の前に、まず業界・自社へのネガティブイメージを払拭するブランディングに取り組むことが、採用マーケティング成功の前提となります。

大手タクシー会社様の採用マーケティング成功事例

今回紹介するのは、某エリア最大手のタクシー会社様の支援事例です。

同社は、地域内での知名度が高く、同エリアでの指名検索シェアは約8〜9割を占めています。しかし採用面では、業界構造に起因する複数の課題を抱えていました。

ゴンドラの伴走支援を経て、紹介会社依存だった採用体制を、自社サイト経由で月平均20件以上の応募・毎月3名を安定採用できる体制へと転換することに成功。同時に、採用単価の削減も叶えられました。

どのような取り組みを行ったのか、詳細をみていきましょう。

取り組み前の課題

支援開始以前、同社の採用活動が抱えていた課題は大きく4点です。

  • 紹介会社依存の採用構造
    1名採用するたびに60〜80万円の手数料が発生しており、コスト負担が大きかった
  • 広告運用の設定不備
    「求職者が広告上の電話番号をタップした時点」をCVとして計測していたが、実際には応募につながっていないケースもあり、広告効果を正しく把握できていなかった
  • タクシー業界のネガティブイメージ
    ドライバー職への不安を持つ求職者層に対して、払拭するためのコンテンツや訴求が不足していた

同社は、もともと自社採用に注力していたわけではなく、紹介会社が採用のメインチャネルでした。そのなかで、上記のようにさまざまな要因が重なって採用単価が高騰していたため、解決策として自社採用の強化に取り組み始めた背景があります。

取り組みの内容

ゴンドラがまず取り組んだのは、「コンバージョンに近いところから改善する」というマーケティングの基本に立ち返ることでした。

いくら上流の広告配信を最適化しても、応募フォームの使い勝手が悪ければ離脱が起きます。「受け皿」を整えてから流入を増やす、という順番を徹底しました。

CV設定の見直しと応募導線の最適化

最初に着手したのは、CVの再設定と応募フォームの改善です。

同社は、以前は「電話クリック」をCVとして計測していました。しかし、クリックしても実際に電話がつながるとは限らず、つながったとしても採用目的とは限りません。また、タクシー会社への電話は忘れ物やクレームの問い合わせと混在しやすく、採用窓口として機能しにくい構造でした。

そこで日程調整ツールを導入し、応募と同時に面談日時を確定できる仕組みに刷新しました。

BeforeAfter
応募方法フォームに第1・第2希望日程を自由記入カレンダーから空き日時を選択するだけ
面談確定のタイミング応募後に電話で日程調整応募と同時に確定
課題・入力の手間による離脱・電話のハードルの高さ

「若い求職者は電話を嫌がる」という傾向は、採用現場でもよく知られています。日程調整ツールを導入してステップ式の入力フローと即時確定の仕組みを構築することで、応募から面談実施までの歩留まり改善に成功ています。

ブランディングとLP制作

CVの受け皿を整えたあとに、求職者の検討段階に合わせた3種類のLPを制作しました。

「どのような広告を出すか」の前に「誰に・何を伝えるか」を設計することが、LP制作の出発点となります。

1. コーポレートLP(指名キャンペーン向け)

会社名で指名検索してくる層、つまりすでに同社を知っていて複数社と比較検討している求職者向けのLPです。

給与・勤務条件・職場環境など、意思決定に必要な情報を網羅。「この会社にしよう」という決断を後押しする構成にしています。

2. 検討ライト層向けLP(一般キャンペーン向け)

「タクシードライバー 未経験」「ドライバー 転職」などのキーワードで検索してくる、職種・会社をまだ決めかねている層向けのLPです。ファーストビューに「自由な働き方が可能」であることをイメージさせるキャッチコピーを配置して、その下に「よくある不安とその実態」を解消していく構成としました。

支援開始当時、タクシードライバーは「やりたくない仕事」というイメージが根強い時期でした。不安を正面から取り上げて丁寧に解消することが、この層への最も効果的なアプローチだと判断し、このようなLPに仕上げています。

3. 直接応募限定特典LP(一般キャンペーン向け)

紹介会社を介さずに直接応募するメリットを明示したLPです。「○○(エリア) タクシー 求人」「タクシードライバー 転職」など、紹介会社も入札している一般キーワードで配信し、直接応募した場合にのみ得られる特典を打ち出すことで差別化を図っています。

上記のLPを使い分けることで、検討段階ごとに最適な訴求が可能になりました。

SEOコンテンツ制作・サイト回遊率の向上

採用候補者が応募を決めるまでには、平均して1〜2ヶ月かかるといわれています。その間、求職者は複数の企業サイトや求人媒体を行き来しながら情報収集を続けます。つまり、広告で一度サイトに来てもらっても、それだけでは応募には至らないのです。

そこで、まだ職種・会社を決めていない潜在層が検索するキーワードを中心に、SEOコンテンツを制作しました。

  • タクシードライバーの平均年収は?
  • トラックとタクシー、どちらが稼げる?

上記のようなテーマの記事が流入を大きく伸ばし、広告では届かない層との接点を生み出しています。

記事を起点に採用サイトへ誘導し、社員インタビューや職場環境のコンテンツで理解を深め、応募へとつなげる。この「知る→興味を持つ→信頼する→応募する」という流れを設計することが、採用コンテンツマーケティングの本質です。

取り組みの成果

CV設定の見直しに始まり、LP制作・SEOコンテンツ・ツール導入と段階的に施策を積み上げた結果、採用の「量」と「質」の両面で成果が出ています。

ポイントは、単に応募数が増えただけでなく、採用単価の削減・応募者の質向上・定着率の改善という3つを同時に実現した点です。ここでは、数字の推移と定性的な変化を合わせてご紹介します。

定量的な成果

指標結果
月間応募件数月あたり1件→平均20件超
月間採用人数毎月3名をコンスタントに確保
採用単価紹介会社比で約25%削減(2025年度平均単価をもとに算出)

支援開始当初は広告予算も少なく、月間応募数は1件程度にとどまっていました。その後、段階的に予算を増額していくなかで月数件程度まで応募が伸び、現在は月平均20件超の応募を安定して獲得できています。「受け皿を整えてから拡大する」という順番を守ったことで、応募数が着実に伸びる構造が生まれました。

また、広告運用においては、まず指名キャンペーンで同エリアの検索シェアを高めたうえで、一般キャンペーンへと拡大しています。一般キーワードは紹介会社との競合が激しくインプレッションシェアはまだ限定的ではありますが、それでも応募数は大きく伸びており、自社採用チャネルとしての手応えを得られました。

定性的な成果

応募数の増加と同時に、応募者の質も大きく向上しました。

以前は「誰でも採用する」という方針を取っていた時期があり、その結果として離職者が増えてしまった経緯がありました。そこで今年度からは採用基準を厳格化し、月20件超の応募者から厳選して毎月3名を採用する体制へと転換しました。

それが可能になった背景には、応募者の質の変化があります。面談への出席率が高く、連絡も取れる状態が続いており、「確度の高い候補者が集まっている」と同社からご評価いただいています。

業界へのネガティブイメージを払拭する訴求と丁寧な情報設計が、「なんとなく応募した人」ではなく「ここで働きたいと思って応募した人」を集める結果につながりました。成功の要因は、流入を増やす広告施策より先に、応募フォームの改善やCV設定の見直しという「意思決定直前の導線」から着手したことが土台となっています。

受け皿を整えたうえで流入を拡大したことで、量と質を同時に引き上げることができました。

事例からわかる成功ポイント

今回紹介した事例のポイントは、「施策を増やす」のではなく「順番を正しく設計する」という視点です。計測の整備・受け皿の改善・訴求の最適化を丁寧に行ったことが、採用の量・質・コストすべてにおける成果につながりました。

ここでは、重要な3つのポイントを詳しく解説します。

採用候補者の行動を起点に、接点ごとのアプローチを最適化

今回の事例が成果につながった最大の要因は、「どの施策を打つか」より前に「採用候補者がどう動くか」を徹底的に考えたことです。

求職者は応募を決めるまでに、検索・比較・サイト閲覧・再検討……というプロセスを何度も繰り返します。たとえ良質な広告で集客できたとしても、サイトの内容が不十分であれば応募にはつながりません。

どの接点でも「この会社は信頼できる」「ここで働きたい」と感じてもらえるよう、広告・LP・SEOコンテンツ・応募フォームまでを一貫した戦略のもとで設計しました。

クライアントと一緒に“ターゲットが求めるリアルな情報”を発信

広告やLPを整えるだけでは、採用の成果は最大化できません。求職者は応募前に採用サイトを繰り返し訪れ、社員インタビューや職場の雰囲気を確認します。そこに「この会社で働くイメージ」を醸成できるコンテンツがあるかどうかが、応募の質を左右します。

今回の事例では、同社自身もサイトのコンテンツ充実に積極的に取り組まれました。このように、支援会社とクライアントという関係を超えて同じゴールに向かって協働する体制が、長期的な成果につながったと考えています。

基盤となる応募導線の整備から着手

採用マーケティングを始めようとするとき、多くの企業が「まずは広告を出そう」「LPを作ろう」と施策から入りがちです。しかし今回は、CV計測の正確化とフォーム改善を優先しました。

計測が正しくなければ、どの施策が効いているかわかりません。また、フォームの離脱が多ければ、広告費をいくら増やしても応募は増えないでしょう。

今回は、「受け皿を整える→効果を可視化する→施策を拡大する」という順番を意識することで、リスクを管理しつつ安心して予算を増額できる環境を整えられました。

採用マーケティングは短期的な成果を求めるのではなく、長期的な視点で基盤を整え、継続的に取り組めるよう予算や改善戦略を展開していくことが重要です。

採用マーケティング成功のカギは「カスタマーエンゲージメント」

採用候補者を「顧客」として捉え、認知から応募・採用・定着までの各接点で最適な体験を提供することで、「この会社で働きたい」という意思決定を後押しする。これが、採用マーケティングにおけるカスタマーエンゲージメントの考え方です。

採用活動を真の成功へ導くには、単に応募数を増やすだけではなく、自社の文化や価値観に共感してくれる人材を集め、長期的に活躍してもらうことが欠かせません

今回ご紹介した事例のように、採用マーケティングは広告・LP・SEO・ツール設計など複数の専門領域を同時に動かす必要があります。このような多くのプロセスや専門知識を必要とする戦略を、自社だけで全体を設計・実行することは容易ではないでしょう。

採用マーケティングでお困りの企業は、ぜひゴンドラへご相談ください。

ゴンドラの強みは、候補者のカスタマージャーニーを起点に戦略を一体で設計し、実行まで一気通貫で支援できる点です。また、「支援会社」としてではなく、クライアントと同じ目線に立って協働する伴走スタイルで、課題の整理から施策の改善まで継続的にサポートします。

「何から手をつければよいかわからない」という段階からでも、まずはお気軽にご相談ください。

CONTACT お問い合わせ

あらゆる分野のスペシャリストが、お客様と同じゴールを目指して
Web広告からCRM支援まで一気通貫で伴走します。

お問い合わせする

WRITING 執筆

LIFT編集部

LIFT編集部

LIFT編集部は、お客様との深いつながりを築くための実践的なカスタマーエンゲージメントのヒントをお届けしています。

RELATED 関連記事

【開発事例】採用ページ×チャットボットで挑むLLMO対策|設計から計測までを公開
マーケティング全般
#上級
【独自調査】出会うOOH、狙い撃ちのWeb広告!「広告へのストレス」を取り除く新時代の戦略
マーケティング全般
#調査結果
交通広告の費用対効果を向上させるコツ|種類の選び方から注意点まで解説
マーケティング全般
#中級

SHOW CASE ゴンドラの事例

FIND ARTICLE 記事を探す