2026年10月13日、Microsoftは「Bing Webmaster Tools」のAIパフォーマンスレポートに、新機能「トピックポートフォリオ(ベータ版)」を追加したと発表しました。AI検索における自社サイトの状況をテーマごとの需要や競合の多さ、伸びしろのあるクエリまで含めて把握できるようになります。
本記事では、新機能で確認できる項目と注意点を整理し、コンテンツ改善への活かし方を解説します。
※本記事の内容は、2026年10月記事公開時点のMicrosoft Bing公式ブログ(英語)にもとづいています。実際の日本語での表示名・形式は、本記事の内容と異なる場合があります。
SUMMARYこの記事でわかること
- Bingのトピックポートフォリオとは?
BingのAI検索で自社サイトが表示されたクエリを、テーマ(トピック)ごとにまとめて表示する機能。
- Bingのトピックポートフォリオで確認できる情報
テーマごとのAI検索での需要の大きさや引用されているサイト数の概算、自社サイトがまだ引用されていない「機会クエリ」とその引用数の幅(レンジ)。
- 企業が今しておくべきこと
まずは自社の引用が集中しているテーマを確認し、次に機会クエリを見ていく進め方がおすすめ。機会クエリは、自社の事業との関連性や、読者に役立つ情報を提供できるかを基準に選ぶ。
Bingのトピックポートフォリオとは?

トピックポートフォリオとは、BingのAI検索で自社サイトが表示されたクエリを、テーマ(トピック)ごとにまとめて表示する機能です。
Bing Webmaster Toolsの「AIパフォーマンス」レポート内に、ベータ版として追加されました。公式発表では、利用できる国や言語の制限は示されていません。
ここでは、新機能で変わる点と、一覧画面・詳細画面で確認できる内容を紹介します。
トピックポートフォリオで何が変わる?
最大の変化は、テーマごとの「需要の大きさ」「競合の多さ」「伸びしろ」を、1つの画面で確認できるようになることです。
AIパフォーマンスレポートでは、2026年6月から、グラウンディングクエリ※をテーマごとにまとめる「Topics」機能を、プレビュー版として提供していました。トピックポートフォリオでは、テーマごとの分類に加えて、全サイトの引用数の概算や引用サイト数、自社が引用されていないクエリも確認できます。
例えば、Webマーケティングスクールのサイトに、SEO、SNS運用、Web広告の記事があるとします。トピックポートフォリオを使うと「SEOは需要が大きく競合も多いテーマ」「他社は引用されているが自社は引用されていないクエリがある」などの状況を、テーマ単位で比較しやすくなるでしょう。
※グラウンディングクエリ:AIが回答で引用したコンテンツを探す際に使ったキーフレーズ
トピック一覧で確認できる情報
トピック一覧では、テーマごとのAI検索での需要や競合の多さの目安と、自社サイトの伸びしろを確認できます。一覧の項目は、以下の表のとおりです。
| 項目 | 示す内容 |
| トピック(Topic) | 自社サイトが表示されたグラウンディングクエリを、テーマごとにまとめたもの |
| トピックサイズ(Topic Size) | 選択した期間中、そのトピックで全サイトが引用された総数の概算。AI検索での需要の目安 |
| 引用サイト数(Sites Cited) | そのトピックのクエリで登場するサイト数の概算。競合の多さの目安 |
| クエリ数(Queries) | そのトピックに含まれるグラウンディングクエリの種類の概算 |
ここでの引用とは、AIが回答を生成する際に特定のWebページを情報源(参照元)として提示することを指します。
一覧の下には「機会クエリ(Opportunity Queries)」も表示されます。機会クエリとは、他のサイトは引用されているものの、自社サイトは引用されていないクエリです。引用数は、正確な数値ではなく幅(レンジ)での表示です。
トピック詳細画面で確認できる情報
トピック詳細画面では、1つのテーマについて、自社サイトが「すでに引用されているクエリ」と「まだ引用されていないクエリ」を見比べられます。
一覧から各トピックをクリックすると、画面上部にトピックサイズ、自社サイトの引用数、クエリ数の3つの指標が並びます。その下に、自社サイトがすでに表示されている上位のクエリと、同じテーマの機会クエリが2つの表に分かれて表示されます。
2つの表を見比べることで、「すでに強みを持つ領域」と「これから取り組める領域」を1画面で整理できます。改善するテーマを決める際の出発点として活用できるでしょう。
トピックポートフォリオの注意点
トピックポートフォリオは、データが十分にあるサイトでのみ表示されるベータ版の機能です。Microsoftは、数値を正確な記録ではなく「計画のための方向性を示すシグナルとして扱う」よう呼びかけています。
また公式ブログでは、次の4つの注意点を挙げています。
- AIによるトピック分類
AIによる分類のため、自社の感覚とは異なるトピックにクエリが割り振られる可能性がある - データ不足時の非表示
存在感や動きが不十分なトピックは表示されない - 他社ブランド名を含むクエリの混在
機会クエリに他社のブランド名を含むクエリが入る場合がある - 概算値・幅による数値表示
数値は概算で、機会クエリの引用数は幅で表示される
規模が小さいサイトでは、機能自体が表示されない可能性があります。機能が表示されないからといって、サイトの品質が低いとは限らないと考えられます。
トピックポートフォリオの活用方法
トピックポートフォリオは、細かな数値の差を追うよりも、強みと改善の余地の「方向性」をつかむ用途に向いています。
ここでは、実務で活用する際のポイントを3つ紹介します。
1. 引用が集中しているテーマから強みを把握する
最初に確認したいのは、自社サイトの引用が集中しているトピックです。公式ブログでも、引用が集中しているトピックから見始め、その後に機会クエリを確認する進め方を紹介しています。
引用の多いテーマは、AI検索ですでに情報源として選ばれやすい領域と考えられます。トピックサイズや引用サイト数もあわせて見れば、需要が大きく競争の激しい分野で存在感を示せているかも判断しやすくなるでしょう。強みのあるテーマでは、既存記事を最新の情報に保ち、強みをさらに伸ばしましょう。
2. 機会クエリは「自社が答えるべきか」で選ぶ
機会クエリに表示された内容を、すべて記事にする必要はありません。判断の基準は、自社の商品やサービスとの関連性と、読者の役に立つ情報を提供できるかどうかです。
例えば、SEOの基本ページは引用されていても、SEOの効果測定に関するクエリでは引用されていないとします。この場合は、効果測定の情報を見直すきっかけになるでしょう。
関連する記事がすでにあるなら、新しい記事を増やす前に、説明不足や根拠の有無を確認する方法もあります。他社のブランド名を含む候補もあるため、最終的な判断は人が行いましょう。
3. 引用の先にあるアクセスや問い合わせまで確認する
AIに引用されることと、サイトへの訪問や問い合わせが増えることは、別の成果です。AIの回答だけで満足し、サイトを訪れないユーザーもいると考えられます。そのため、トピックポートフォリオは「改善するテーマを探すツール」と位置づけましょう。
コンテンツを改善したあとは、アクセス解析ツールなどで、該当ページへの訪問や問い合わせの変化もあわせて確認します。引用からアクセス、問い合わせまでを一続きで見ていけば、事業の成果につながる情報発信を考えやすくなります。
AI検索での「強み」と「伸びしろ」をテーマ単位で把握しよう
Bingの新機能「トピックポートフォリオ」により、AI検索での自社サイトの状況をより詳しく確認できるようになりました。テーマごとの需要や競合の多さに加え、伸びしろのあるクエリまで把握できます。活用時は、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- テーマ単位でAI検索の引用状況を把握する
- 機会クエリを使って改善候補を探す
- 概算値・AI分類を前提としたうえで、方向性の把握に役立てる
現状はベータ版のため概算の数字ですが、それでも改善するテーマを考える材料として役立ちます。まずはBing Webmaster Toolsにログインし、自社サイトで機能が表示されるか確認してみましょう。表示された場合は、引用が集中しているテーマと機会クエリを見比べ、改善するテーマを1つ決めるところから始めていきましょう。
出典:Microsoft Bing Blogs|Introducing Topics Portfolio (Beta) in AI Performance
出典:Microsoft Bing Blogs|New AI Visibility Insights in Bing Webmaster Tools: Intents, Topics, Citation Share, Compare
出典:Microsoft Bing Blogs|Introducing AI Performance in Bing Webmaster Tools Public Preview
FAQご相談前の疑問や不安を、少しでも軽く
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Question 1
トピックポートフォリオはどうやったら使えますか?
Answer
Bing Webmaster Toolsで、自社サイトの「AIパフォーマンス」レポートを開ける状態にしておく必要があります。データが十分にあるサイトでは、「Citations & Pages」タブの隣に「Topics Portfolio」タブが表示されます。
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Question 2
トピックサイズが大きいテーマから優先して対策すべきですか?
Answer
トピックサイズは需要の目安ですが、競争の激しいテーマである可能性も考えられます。引用サイト数や自社の事業との関連性もあわせて、優先順位を判断しましょう。
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Question 3
機会クエリに競合他社の社名や商品名が表示されたら、どうすればよいですか?
Answer
機会クエリには、他社のブランド名を含むクエリが表示される場合があります。自社にとって取り組む価値がある候補かどうかについては、最終的には人が判断しましょう。
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Question 4
トピックの分類が自社の認識と違う場合は、どうすればよいですか?
Answer
トピックの分類はAIが行っているため、自社の感覚と異なるテーマにクエリが振り分けられる場合があります。実態と合わないトピックには、低評価ボタンでフィードバックを送りましょう。
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Question 5
AIに引用されているかどうかは、成果とどう結びつければよいですか?
Answer
AIに引用されることと、サイトへの訪問や問い合わせが増えることは、別の指標として確認する必要があります。改善したテーマの記事については、アクセス解析ツールで訪問や問い合わせの変化も追いましょう。
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WRITING 執筆
藤原 洋平
Google、Yahoo! JAPANを中心としたリスティング広告、Facebook、instagram、X(旧Twitter)、LINEを中心としたSNS広告、アフィリエイト広告、インフルエンサーキャスティングなど、webマーケティング全般を手掛ける。
これまで数多くのセミナー・ウェビナーに登壇。書籍「BtoBマーケティングの基本 IT化のインパクトを理解する12 の視点」(日経BP)を執筆。


