【DX×カスタマーエンゲージメント成功事例】Webリニューアルを起点に踏み出した、顧客とのつながりを深める第一歩

【DX×カスタマーエンゲージメント成功事例】Webリニューアルを起点に踏み出した、顧客とのつながりを深める第一歩

デジタルシフトが加速する昨今、企業の成長には「デジタル技術を活用したカスタマーエンゲージメントの強化」が不可欠になりつつあります。

「デジタル化」と聞くと、多くの方がホームページの制作・刷新、ツールやシステムの導入に目を向けがちです。しかし、本当に重要なのは単にデジタル技術を取り入れることではなく、顧客との関係を深め、事業成長につなげていくことです。

本記事では、北海道を中心にスーパーマーケット事業を展開する株式会社アークス様が、ホームページ刷新を起点にDXに踏み出し、カスタマーエンゲージメントの「向上に向けた第一歩」となった取り組みを紹介します。

カスタマーエンゲージメントの重要性

カスタマーエンゲージメントとは、商品を提供する企業とユーザーとの間に構築されるつながりや、関係性を深める取り組みです。

デジタル技術の進化によって、企業と顧客の接点は増えました。しかし、情報があふれる時代だからこそ、「ただ商品を売る」だけでは顧客が定着しにくくなりつつあります。競争の激しい市場で顧客に選ばれ続けるためには、継続的な利用を促し、ブランドへの信頼を高める施策が不可欠です。

特に、スーパーマーケット業界などの競争が激しい市場では、「継続的に利用してもらうこと」「ブランドに対する親しみや信頼を高めること」が企業の成長に直結します。

顧客とのつながりを深めて長期的な関係を築くこと、そして経営課題そのものの解決につなげることが、これからのDX戦略の根幹となるのです。

カスタマーエンゲージメントとDXの関係性

カスタマーエンゲージメントは「目的」であり、DXはそれを実現する「手段」です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)というと、「最新の高機能システムを導入すること」と捉えられがちです。しかし、DXの本質はビジネス目線で幅広い解決策を考え、経営インパクトや事業インパクトを産むことにあります。

企業が成長を続けるには、目の前の課題を解決するための単発施策ではなく、長期的なカスタマーエンゲージメントの強化を念頭に置いたDX戦略が不可欠です。

株式会社アークス様のDX成功事例

本記事では、カスタマーエンゲージメントに向けた取り組みの一環として、ゴンドラがマーケティング支援をさせていただいた株式会社アークス様の事例を紹介します。

株式会社アークス様は、北海道・東北・北関東に展開する食品スーパーマーケットを中心とする食品流通グループで、地域に根ざした経営を行っています。

同社は、デジタル化の進展に伴い、Webサイトの運用や情報発信においていくつかの課題を抱えていました。そこで、ホームページ刷新などのDX施策を通じて、カスタマーエンゲージメントを高めていくための「基盤づくり」に取り組みました。

さらに株式会社アークス様では、購買者・採用候補者・株主という3種類の顧客層に向けて、それぞれ最適な情報を発信し、信頼関係の構築を目指しています。今回のホームページリニューアルでは、これら3つの視点に配慮した情報設計・導線設計を行いました。

取り組み前の課題

株式会社アークス様は、グループ全体で以下のようなWeb運用に関する課題を抱えていました。

  • 情報発信のばらつき
  • 運用業務の負担軽減
  • スマートフォン対応の強化

大きな課題として、各事業会社がそれぞれWebサイトの運営や情報発信を行っていたことが挙げられます。

各社がバラバラに運営や情報発信をしていたため、各担当者の負担が大きく、セキュリティや使いやすさ・見やすさ(ユーザビリティ)の低下も発生。さらに、重要な情報を適切なタイミングで発信できる体制の構築も課題となっていました。

その解決策として、各社の特色を活かしつつ、統一感のあるWebサイトを構築する必要があったのです。加えて、スマートフォン対応を強化し、すべてのステークホルダーがよりスムーズに情報へアクセスできる環境を整えることも重要なポイントでした。

こうした状況を改善し、グループ全体で統一された顧客体験を提供できる環境を整えることを目的に、ホームページ刷新プロジェクトがスタートしました。

取り組みの内容

株式会社アークス様が抱える課題を解決するために、ゴンドラでは3つの支援を行いました。

  1. RFPの作成
  2. 目的の明確化から企業課題の解決まで伴走
  3. 現場が運用しやすいサイト基盤・運用基盤の構築

ポイントは、株式会社アークス様のWebサイトを単なる情報発信の場ではなく、顧客体験を向上させる基盤として位置づけた点です。

ここからは、各支援内容の詳細を説明します。

RFPの作成

RFP(Request for Proposal)は、プロジェクトの目的や要件を整理し、最適なパートナー企業を選定するための提案依頼書です。

Webサイトのリニューアルでは、デザインやシステム面の改善に目が向きがちですが、DXを成功させるためには、ビジネスの課題を解決する視点が欠かせません。株式会社アークス様のホームページ刷新プロジェクトでは、以下のプロセスを通じてRFPを策定しました。

  • 現状の課題を可視化:運用課題の収集やアクセス解析を実施し、改善余地箇所の明確化
  • 経営・事業目線で要件を整理:単なる機能改善ではなく、長期的にビジネス価値を生むための指標を設定

このRFPの作成によって、Webサイトのリニューアルが「デザイン変更」や「情報整理」にとどまらず、ビジネス成長につながるDX戦略のひとつとして機能しました。

目的の明確化から企業課題の解決まで伴走

ゴンドラは、ホームページ刷新の要件定義フェーズにおける多角的な伴走支援も実施しました。

サイト運用における課題解決のために、まずは経営理念や経営課題、事業課題などの上流から整理しました。各課題を細分化したうえで、「サイト構築がDXプロジェクトの中でどのような位置付けにあり」「経営や事業課題にどのように貢献するのか」を明確化。結果として、プロジェクトのゴールが共有され、円滑なコミュニケーションと効率的なプロジェクト推進が可能になりました。

さらに、「合意形成支援」も実施。アークスグループ各社との合意形成をスムーズに進めるため、社内稟議やグループ各社との調整など、担当者の負担になりがちな業務も引き受けました。関係者が迷うことなく円滑に合意形成を進められる環境を整えたので、意思決定のスピードが向上し、業務を円滑かつ確実に進められるようになりました。

このように、全体の上流設計から経営・事業課題を整理し、それにもとづく施策の実行段階まで、社内調整も含め一気通貫で多角的な支援を実行。株式会社アークス様と同じ目線に立って継続的なサポート体制を構築することで、一時的な改善ではなく、長期的な企業課題の解決につなげていきました

現場が運用しやすいサイト基盤・運用基盤の構築

株式会社アークス様のDX戦略では、Webサイトのリニューアルを「作って終わり」にせず、現場が無理なく運用を続けられる体制づくりを重視しました。

そのために、使いやすさと拡張性を備えたシステム基盤を整備するとともに、グループ各社が足並みを揃えて情報発信できる環境を構築。ITに不慣れなスタッフでも更新できるようCMSを導入し、マニュアル整備や運用に関するレクチャー・勉強会などを通じて、運用負担を軽減する仕組みも整えました。

グループ全体での一体感を醸成するために、採用ページの構成にも工夫を加えています。各事業会社が「アークスグループの一員」であるというブランドイメージを浸透させるべく、自社サイト内に各社の採用情報へのリンクを設定。導線設計も、「アークスグループ全体の紹介」→「各事業会社の説明」という順序に統一しました。新卒・中途だけでなく、アルバイト採用までを視野に入れた構成とし、幅広い求職者にとって親しみやすいページに仕上げています。

また、定期的なレポーティングや改善提案を通じて、継続的にサイトを成長させるサポートも実施。結果的に、アークスグループ全社で統制が効いた管理を実現しています。

徹底的なヒアリングとワンチームでの運用体制を整え、計17サイトのホームページ大規模リニューアルを当初のスケジュールから遅延なく行いました。

株式会社アークス カードグループ ゼネラルマネージャー 中村様のコメント

アークスグループは、地域に根ざした食品スーパー各社が「八ヶ岳連峰経営」のもと各社の歴史や方針を尊重しながら地域に根差した価値提供を目指しています。

今回のWebサイト刷新では、各社の多様性を尊重しながらもグループ全体としての情報発信の統一と顧客接点の最適化を図る必要がありました。ゴンドラ様には、構想段階から実装フェーズまで一貫して伴走いただき、各社の調整や課題整理を丁寧に進めていただきました

多様なニーズをくみ取りながら、ビジュアルや導線設計、コンテンツの方向性に至るまで的確な提案をいただいたことで、現場の納得感を高めながらプロジェクトを前進させることができました。

今回の取り組みは、単なるWebサイトの刷新にとどまらず、グループとしてのDX推進の一環として、今後のデジタル戦略を支える重要な基盤づくりとなりました。今後はこの基盤を活用し、コンテンツや運用体制の強化を通じて、より一層のファンづくりと企業価値の向上につなげていきたいと考えています。

事例からわかる成功ポイント

今回の事例が成果につながったポイントとして、以下の2点が挙げられます。

  • 経営課題や事業課題といった本質に焦点を当てた
  • 開発で終わらせず、継続運用できる体制を構築した

株式会社アークス様が取り組んだのは、いきなり高度なデジタル戦略に踏み出すのではなく、カスタマーエンゲージメント向上に向けた「着実な第一歩」でした。

その具体的な内容を詳しくみていきましょう。

経営課題や事業課題といった本質に焦点を当てた

ひとつ目の成功ポイントは、目先の問題だけではなく、経営課題や事業課題といった「本質」に焦点を当てたことです。

今回の例では、Webサイトを改修するだけではなく、顧客にとって価値のある情報を適切なタイミングで発信できる仕組みの整備まで行いました。ここでいう顧客とは、数あるステークホルダーの中で特に株式会社アークス様が関係を深めたいと考える「購買者」「採用候補者」「株主」の3層です。

例えば、購買者向けには、リアルタイムなキャンペーン情報の配信やレシピ紹介を通じて、日常の買い物をサポート。採用候補者向けには、採用ページ改善により、企業理解を促進しエントリー意欲を高める導線を整備。株主向けには、グループの取り組みやIR情報へのアクセス性を高め、信頼性のある情報提供を実現しました。

2025年3月末時点では、スマートフォンアプリとホームページの連携にも対応済みです。各社のお知らせやキャンペーン、レシピなどがリアルタイムでアプリに反映される仕組みを整備したことで、お客様へタイムリーかつ一貫性のある情報提供が可能になっています。

また、従来Excelで行っていたアプリクーポンの申し込み業務も効率化を図るべく、専用アプリケーションを開発中です(現在テスト運用中)。さまざまなデジタル基盤の整備を進めるなかで、株式会社アークス様は顧客接点の最適化に向けた第一歩を踏み出しています。

開発で終わらせず、継続運用できる体制を構築した

例え、よいWebサイトを制作できたとしても、継続して運用できなければ効果を最大限享受することはできません。今回はWebサイトの開発だけではなく、その先の運用体制や課題解決の内製化を見据えた支援も実施しました。

結果として、グループ全体で足並みを揃えて取り組む姿勢が浸透し、事業会社を超えた一体感の醸成に成功したとご好評いただいています。また、運用基盤を整えたことで、顧客(購買者・採用候補者・株主)それぞれに対して、継続的かつ一貫性のある情報発信が可能になりました。

成果を最大化するカスタマーエンゲージメントの重要性

ゴンドラのマーケティング支援に共通する考え方として「カスタマーエンゲージメント」があります。ゴンドラの考えるカスタマーエンゲージメントとは、「ITのチカラで『最適な顧客接点と顧客体験』を創出し、ファンを増やしLTVの最大化を支援すること」です。

今回紹介したのは、ホームページ刷新を起点としたカスタマーエンゲージメント強化の「第一歩」であり、今後のさらなるデジタル施策の土台になる取り組みであるといえます。誰にとっても見やすく使いやすいWebサイト制作で顧客との接点を最適化し、経営課題・事業課題に基づいた支援を実施することで、その先のロイヤルカスタマーを獲得する基盤を整えました。

カスタマーエンゲージメントは、企業の成長に直結する重要な要素です。「現在の問題」だけに目を向けるのではなく、「顧客にとっての利益につながる本質的な課題」を発見・解決していくことが大切です。

今回は、Weサイトリニューアルを軸としたDX化支援事例を紹介しました。統合型支援を行っているゴンドラでは、他にもWeb広告やSNS、CRMなどさまざまな領域での支援が可能です。

一社一社に適したカスタマーエンゲージメント戦略をご提案しますので、お気軽にご相談ください。

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LIFT編集部は、お客様との深いつながりを築くための実践的なカスタマーエンゲージメントのヒントをお届けしています。

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