Yahoo!ディスプレイ広告に新機能|計測タグとコンバージョンAPIがアップデート

Yahoo!ディスプレイ広告に新機能|計測タグとコンバージョンAPIがアップデート

2025年6月30日から、Yahoo!広告のディスプレイ広告において「新しい計測タグ」と「新しいコンバージョンAPI」の提供が開始されました。

今回の変更は、プライバシー保護強化の流れに対応しつつ、より精度の高い効果測定とタグ管理の効率化を目的としています。従来の計測手法では限界が見えてきたなかで、広告主にとって大きなメリットをもたらす機能強化だといえるでしょう。

新しい計測タグとは

今回提供された新しい計測タグは、従来の複雑なタグ管理を大幅に簡素化できる機能です。

まずは、従来の計測タグが抱えていた課題と、新しいタグのメリットについてみていきましょう。

従来の課題を解決する統合型タグ

計測タグは、Webサイト上でユーザーの行動(ページビュー、購入、フォーム送信など)を記録するためのタグです。

従来のYahoo!広告では、「購入」や「カート追加」などの目的別にタグを個別に設置する必要がありました。つまり、複数のコンバージョンイベントを計測したい場合は、その数だけタグを設置する煩雑さがあったのです。

しかし、今回リリースされた新しい計測タグでは、1つのタグで複数のイベント(ユーザー行動)を管理・計測できるようになっています。

統合型タグのメリット

今回提供された統合型タグを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 複数のタグを設置・管理する手間を削減できる
  • 設置・管理ミスのリスクを大幅に低下させられる
  • イベント種別を指定したコンバージョン測定が可能になる
  • 1つのタグで計測したデータを複数の目的で活用できる

これらの改善により、例えば「購入」と「カート追加」という2つの異なるイベントも、1つのタグの設定で個別に計測できるようになるのです。従来のように複数のタグを個別管理する煩雑さから解放されるので、より効率的な広告運用を実現できます。

計測タグから送信された各種イベントデータは広告管理ツール上で受信状況を確認可能です。

新しいコンバージョンAPIとは

新しく提供されたコンバージョンAPIは、プライバシー保護強化の時代に対応した計測手法です。

ここでは、従来のブラウザベース計測との違いと、APIがもたらす具体的なメリットについて説明します。

ブラウザ制限を回避する新しい計測手法

近年、SafariやChromeを中心にユーザーのプライバシー保護が強化され、従来のクッキーやJavaScriptタグだけでは正確なコンバージョン計測が困難になってきました。

新しいコンバージョンAPIは、ユーザーのブラウザに依存せず、サーバー側から直接Yahoo!にデータを送信する仕組みです。

API活用による計測精度向上

新しいAPIを利用すると、以下のようなメリットが得られます。

  • ブラウザ制限回避:プライバシー保護機能に影響されない計測を可能にする
  • LINE連携強化:line_uid(LINEのユーザーID)などの情報連携が可能になる
  • オーディエンス精度向上:より正確なターゲティングとオーディエンス構築
  • 広告最適化の促進:ユーザーの動きをより正確に追跡し、広告効果を最大化

特にLINE UIDとの連携機能は、Yahoo!広告ならではの強みとなり、広告の効果測定やオーディエンスの構築精度が大きく向上することが見込まれています。この機能が追加されることで、従来のCookieベースの計測では捉えきれなかったユーザー行動も正確に把握できるようになります。

移行するタイミングは?

新機能の導入にあたり、既存のタグ運用への影響が気になる広告主も多いでしょう。

ここでは、現在使用中のタグとの関係性と、スムーズな移行方法について解説します。

現在使用中のタグは継続利用可能

重要なポイントとして、今回の新しい計測タグは既存タグを統合するものではない点です。以下のタグは新しい計測タグには含まれず、別々の機能として提供されていることを押さえておきましょう。

  • サイトジェネラルタグ
  • コンバージョン測定補完機能タグ
  • サイトリターゲティングタグ
  • コンバージョン測定タグ

現在すでに使われている「サイトリターゲティングタグ」や「旧バージョンのコンバージョンタグ」は、しばらくの間は引き続き使用可能です。そのため、現在配信している広告を停止することなく、計画的に新しいタグへの移行を進められます。

性急な切り替えによる計測データの断絶を避けながら、段階的にアップデートを実施できる点は大きなメリットでしょう。一方で、これから新たにYahoo!広告を始める場合やタグを設置し直す場合は、新しいタグやAPIの利用が推奨されています。

早めの対応がおすすめ

新しい計測タグとコンバージョンAPIは、できるだけ早い段階で導入することがおすすめです。

その理由として、以下の3つが挙げられます。

プライバシー保護強化に先行対応できるから

今回のアップデートは、テクノロジーの進化やプライバシー保護の流れに対応したものです。

Appleのプライバシー機能強化など、プライバシー保護の取り組みは今後も強化されることが予想されます。新しい計測手法を早期に導入しておけば、将来的な計測精度の低下を未然に防げるでしょう。

コンバージョン数を正確に把握できるようになれば、ROI計測の精度も向上させられます。

運用効率を改善できるから

タグの管理方法をシンプルにすることで、広告運用担当者の作業負荷を大幅に軽減することが可能になります。新しい計測タグは、1つ設置すれば複数のイベントを管理できるため、作業効率も向上するでしょう。

さらに、タグの設置や設定が簡素化されることで設定ミスのリスクも軽減され、安定した広告運用を実現できます。複数データを一元管理することで、異なるイベントデータを統合して分析することもできるようになるので、より総合的なマーケティング判断が可能になるでしょう

マーケティング効果を最大化できるから

新しいコンバージョンAPIで正確にユーザーの行動データが収集できれば、高精度なオーディエンス構築が実現します。従来の計測では捉えきれなかったユーザーの行動パターンも把握できるようになり、ターゲティング精度が大幅に向上するでしょう。

特に注目したいのは、「LINE連携による新たなターゲティング機会」が生じる点です。line_uid(LINEのユーザーID)と連携すれば、Yahoo!広告ならではの高度なオーディエンス設定が可能になり、これまでにない精度でのターゲティングが実現します。

上記のようなメリットを組み合わせることで、広告運用の品質向上と効率化を同時に実現できます。特に、プライバシー保護が強化されるなかで安定した計測環境を確保できる点は、今後の広告運用において重要な競争優位性となるでしょう。

まとめ

Yahoo!広告の新しい計測タグとコンバージョンAPIは、プライバシー保護強化の時代に適応した重要なアップデートです。広告の計測精度や運用効率を高めたい広告主にとって、今回の機能強化は大きなメリットをもたらしてくれるでしょう。

競合他社に先駆けて新機能を活用すれば、マーケティング効果の最大化と競争優位性の確保が期待できるでしょう。現在Yahoo!広告を運用中の企業は、この機会に新しい計測手法への移行を検討してみてください。

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