Googleが「AI Max for Search キャンペーン」を発表

Googleが「AI Max for Search キャンペーン」を発表

Googleは、検索広告のあり方を大きく進化させる「AI Max for Search キャンペーン」という新機能を発表しました。

これは、AIを活用して検索広告のパフォーマンスを最大化するための一連の機能群を指します。活用することで、ターゲティングの強化と広告文(クリエイティブ)の最適化を同時に実現することが可能となります。

従来の検索広告とAI Max for Search キャンペーンの違い

従来は、以下のように「ユーザーの検索語句(クエリ)」と「事前に設定したキーワード」が一致する広告を表示することが一般的でした。

  • 完全一致:指定キーワードと同じ意味・意図の検索クエリに広告を表示する
  • フレーズ一致:指定キーワードと同じ意味の内容を含む検索クエリに広告を表示する
  • 部分一致:指定キーワードに関連する内容の検索クエリに広告を表示する

一方で、AI MaxではAIがユーザーの検索意図や行動履歴などを分析し、「まだ広告主が気づいていない検索機会」にも対応できるようになっています。

例えば、ある観光地のホテルが「温泉付き高級旅館 箱根」というキーワードを登録していたとします。この場合、ユーザーが「箱根 景色の良い宿」と検索しても、従来の検索広告では表示機会を逃してしまっていました。

AI Maxではこのような検索にも対応可能で、AIが広告文の内容をリアルタイムに調整しながら適切なランディングページへ誘導してくれます。つまり、AI MaxではAIが「検索語句のマッチング」そのものを柔軟に拡張して、ユーザーの多様なニーズを取りこぼさない広告運用を可能にしてくれるのです。

AI Max for Search キャンペーンの主な機能と特徴

ここでは、AI Maxの主な機能と特徴をみていきましょう。

検索語句マッチング

検索語句マッチングを使用すると、既存のキーワードを拡張して、より関連性が高く成果につながる検索クエリを見つけることができます

既存のキーワードやクリエイティブアセット、URLを学習し、通常は見逃してしまうようなクエリやコンバージョンを発見。これにより、より関連性の高い検索で広告を表示することが可能になります

アセットの最適化

広告主が設定したランディングページの内容や登録されている広告文、キーワードなどをもとに、AIが見出しや説明文といったアセット(広告素材)を自動的に生成します。これにより、ユーザーの検索意図に合わせて広告文のパターンを変更させることが可能になり、より関心を引く内容を表示できるようになります。

このようなアセットの生成機能は、「自動作成アセット」として以前から存在していました。しかし、AI Maxではその精度が一段と向上して、行動喚起や独自のセールスポイントまで含んだテキストが自動で作られるようになっています。

コントロール機能

AI Maxは、単に広告配信を自動化するだけでなく、広告主がきちんとコントロールできるように設計されています。

例えば、広告グループごとにターゲットとする地域を細かく設定できる「関心地域設定」や、特定ブランドとの関連付けや除外を行う「ブランド管理機能」が搭載されています。これにより、より精度の高い広告配信が可能になっているのです。

また、新しいURLパラメータの導入によって、すべての一致タイプで検索語句の可視性が高まり、ユーザーの遷移先のページをリアルタイムで最適化できるようにもなっています。生成されたアセットの削除やURLの細かい制御も可能なので、AIに任せながらも人的な最終調整がしやすい設計となっています。

レポート機能

レポート機能も進化しており、「どのアセットがどれだけ表示され、どれだけの成果を生んだか」をKPIベースで把握できるようになりました。

従来の「表示回数」や「クリック数」にとどまらず、「費用」や「コンバージョン数」といった数値とアセットを結びつけて分析できるようになった点は、運用者にとってうれしいポイントでしょう。

AI Max for Search キャンペーン導入企業の成功事例

AI Maxを活用して成果を挙げた企業の事例を2つ紹介します。

コンバージョン率2倍、獲得単価31%削減|ロレアル

美容業界のグローバルリーダーであるロレアルは、AI Maxを活用することで、従来では獲得できなかった新規クエリからのコンバージョンが増加。結果としてコンバージョン率が2倍に上昇し、獲得単価も31%削減されたと報告しています。

これは、AIが「顔のシミに効くおすすめのクリームは?」といった、自然言語に近い複雑な検索クエリにも対応できたことが大きな要因です。

ロレアル チリのCMO ニコラス・モヤ氏は、「AI Maxにより、検索におけるAIの活用を開拓できただけでなく、新しい市場への進出も実現し、コストの削減、コンバージョン率の向上、エンゲージメントを大幅に高める関連性の高い広告エクスペリエンスで、未開拓のオーディエンスにリーチすることができました」とコメントしています。

リード獲得16%増加、コンバージョン単価13%削減|MyConnect社

MyConnect社は、オーストラリアに拠点を置く公共料金接続サービス会社です。

同社は、AI Maxによって新規リードの獲得数が16%増加し、コンバージョン単価は13%下がるという成果を得ています。特に、新規クエリからのコンバージョンが30%増加したことは特筆すべき点でしょう。

MyConnectのマーケティング責任者 ベック・オックスナム氏は、「AI Max for Search キャンペーンのAIを活用したクリエイティブとターゲティングの強化により、まったく新しい検索を可能にし、各ユーザーとそのクエリに対してAIがより関連性の高いコンテンツを構築することで、高品質のリードを継続的に獲得できるようになりました」と述べています。

これからの検索広告とAIの共存

新しく実装される「AI Max」は、これからの検索広告において不可欠な「広告担当者の作業を一括サポートする多機能AIツール」といえる存在です。

今後は、広告運用を機械任せにするのではなく、AIと人間の役割分担を明確にしながら運用を進める姿勢がよりいっそう重要になります。広告運用の現場でもAIリテラシーを高めていくことが、競争優位性を築くカギになるでしょう。

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