「AIに会社の情報を正しく認識してもらうために、何をすればよいのかわからない」
「構造化データは整えた。でも、それだけで十分なのだろうか」
LLMO(LLM最適化)への注目が高まる昨今、多くのマーケ担当者が抱えているのが「次に何をすればよいのか」という問いです。
- 記事を量産すればよいのか
- 構造化データを増やせばよいのか
- PRで外部サイテーションを稼ぐべきか
LLMOでやるべきことは多く、どれも一朝一夕では答えが出ません。
そんな中、ゴンドラでは「LLMOの実態を把握するために、自分たちでやってみよう」 という発想から、採用ページにチャットボットを設置するプロジェクトを立ち上げました。
本記事では、マーケティング室の渡辺が開発担当者にヒアリングし、プロジェクトの背景から設計の意図まで語ります。
LLMOの「次の一手」を考えはじめたきっかけ
LLMO対策として「まず構造化データを整える」という動きは広がっています。ただ、それを終えたとき、次に何をすべきかで手が止まる企業は少なくありません。
ゴンドラも例外ではなく、LLMO施策を模索している企業のひとつでした。そんな中、次の一手として選択肢に挙がったのが「チャットボットの実装」です。
まずは、ゴンドラが抱えていたLLMOの課題とチャットボットに着目した理由について紹介します。
ゴンドラが抱えていたLLMOの課題
現状LLMOで重要とされている構造化データとは、情報を整理し、AIなどのシステムが理解・処理しやすい形式のデータを指します。
ゴンドラの場合、コーポレートサイトとオウンドメディア(LIFT)の両方で、構造化データの実装は完了していました。しかし、「それだけで十分なのか」という疑問が残っていたのも事実です。
ちょうど同時期、FAQコンテンツがAI対策として有効だという話題が社内でも上がっていました。しかし、ゴンドラのようなBtoB企業が大量のFAQを作るのは現実的ではありません。
「やるべきことはわかっている。でも、どうやって実現するか」というギャップをどう埋めるかが、当初ゴンドラが抱えていた課題でした。
チャットボットに着目した理由
さまざまなLLMO施策が話題になっている中で、チャットボットに着目した理由は、ユーザー行動の変化にありました。
そもそも最近のユーザーは、疑問を持ったときにChatGPTやGeminiなどのチャット型AIに直接問いかけて解決することが増えているんです。その流れもあって、「ゴンドラに関する質問をAIに投げたとき、正確な答えが返ってくるのか」「そもそもゴンドラという名前が出てくるのか」という疑問を以前から持っていました。
AIは、“質問と回答が明確にセットになったQ&A形式のデータを好む傾向がある”と言われています。つまり、そのような構造化データを持つサイトは、AIに引用・参照されやすくなる可能性があるということです。
FAQのデータをサイトに持たせることで、AIからの引用率を高められるのではないか……。その考えを実現する手段として浮かび上がってきたのが、チャットボットでした。
「採用ページ」を実験場に選んだ理由
コーポレートサイトやオウンドメディアではなく、採用ページへの実装を決定したことにも理由がありました。
当時、コーポレートサイトはリニューアルの方針が固まっていない時期だったため、すぐには動けませんでした。オウンドメディアのLIFTも候補に挙がりましたが、まずはスピーディーかつミニマムに始められる場所でチャレンジしたかったんです。
当社の採用ページは縦に長く、求職者が欲しい情報を見つけるのに手間がかかる構造になっています。チャットボットを導入すればUXを大幅に向上できると考えたので、今回の実験場として選んだのです。
採用部門に協力を仰いだところ、「ぜひやってみたい」と前向きな反応をもらえたことも後押しになりました。
また、このチャットボットは、エントリーを増やすことだけが目的ではありませんでした。
ターゲットは、ゴンドラへの興味を持ちはじめた方や、面接を控えている方です。すでに検討フェーズに入っている求職者が、24時間いつでも必要な情報にたどり着けることを目的として設計しました。
開発の流れ
採用ページへの設置が決まったあとも、「どう作るか」「どう計測するか」という技術面での検討が続きました。
LLMO対策として機能させるための設計上の工夫も含め、開発の詳細を紹介します。
WordPressとVueを組み合わせた開発

今回の開発は、WordPressとVueを組み合わせて進めてもらいました。
既存のWordPressサイトに違和感なく組み込むには、「パーツとして作って、どこにでも差し込める」仕組みが必要だったためです。
Reactのように大規模な再構築をしなくても、コンポーネント(パーツ)単位で開発して別サイトへの移植もできる。その柔軟性が、Vueを選んだ理由です。今後、コーポレートサイトやLIFTへ展開する際も、同じパーツをそのまま活用できます。
なお、チャットボットの質問・回答のデータは、以下のようにWordPressの投稿として管理しています。

WordPressはデフォルトでJSON形式のデータを自動生成するので、Vue側でそれを読み込んで表示する仕組みです。WordPressの管理画面から操作できるため、コードを触らずにシナリオのメンテナンスが可能です。
開発期間は、要件定義からリリースまでで約1ヶ月でした。Q&Aのシナリオは採用部門が作成し、「求職者目線でわかりやすいか」を開発担当が確認・調整する役割分担で進めました。
AI自動回答ではなく、シナリオ型を選んだ理由
チャットボットといえば、AIが自動で回答を生成する形式もあります。しかし、今回はあえてシナリオ型にしました。
API連携でAIに自動回答させる方法も技術的には取れます。ただし、AIが生成する回答にはハルシネーション(事実と異なる情報の出力)のリスクがあります。採用情報のように、正確性が求められる場面で誤った情報を提示してしまうのは避けたいと考えました。
「何でも答えられる柔軟性」よりも、「正確なことを答えられる信頼性」を優先したわけです。
チャットボット内だけでなく、ページ上にもFAQを表示した理由
開発を進める中で、チャットボットを設置するだけでは不十分だった、ということが判明しました。
チャットボット形式のUIは、ユーザーがボタンをクリックすることで回答が展開される仕組みです。今回採用したチャットボットの場合、ページを読み込んだ直後は回答テキストがHTMLソース上に存在しない状態でした。
ページ内に書かれていないFAQを構造化データに記載すると、Googleの構造化データガイドライン違反になってしまう可能性があります。そこで、ページ最下部にFAQセクションをHTML上に明示的に追加することにしたのです。
チャットボットとFAQセクションは同じデータソースから出力しているので、管理の手間は変わりません。「チャットボットで使いやすく見せる」と「AIに確実に読ませる」を、ひとつの仕組みで同時に実現する設計になっています。
効果検証のためにGA4連携も実施
チャットボットの実装だけではなく、効果検証の仕組みも構築しました。
当初は、「チャットボットが開かれたか」「どの選択肢が選ばれたか」「どのタイミングで閉じられたか」の3点を取得したいと考えていました。しかし、Google タグ マネージャー(GTM)経由でGoogle Analytics4を読み込んでいる環境だったので、Gタグを直接ページに追記する方法が使えず、GTMの仕組みに合わせたDataLayer形式での実装が必要でした。
その記述方法の習得に少し時間がかかりましたが、1週間ほどで集計できる状態になりました。
現在計測できているのは以下の3点です。
- どの質問が選ばれたか
- どのルートを辿ったか(クリックの流れ)
- カジュアル面談のカレンダーページがどの程度開かれたか
今後は、チャットボットに組み込まれた構造化データが、AI検索の回答にどう影響するかを継続的に検証していく予定です。
自社で試すから、提案に根拠がある
LLMO対策の支援をクライアントに提案するとき、最初に直面するのが「実績はありますか?」という問いです。
LLMO対策は「構造化データを整える」「コンテンツを増やす」「外部からサイテーションを得る」など複数の要素が絡み合います。どの施策が効くかはまだ未知数な部分が多く、現時点では「試して計測する」しかありません。
だからこそゴンドラは、クライアントへ提案する前に自分たちで先に動きます。今回のチャットボット開発は、その姿勢を体現したプロジェクトだといえるでしょう。
理論だけでなく、動かして検証する。その経験があるからこそ、ゴンドラは変化の速いLLMO領域においても、一歩先を走るパートナーであり続けられます。
さらに、ゴンドラの採用ページにアクセスすれば、本記事で紹介したチャットボットを実際に触っていただくことが可能です。「自社で試してみたい」と思ったとき、動いているものをすぐ確認できることも、ゴンドラへ相談することメリットのひとつです。
LLMOは、構造化データを整えるだけでも、コンテンツを増やすだけでも完結しません。実践の経験を持つパートナーと一緒に「どう設計するか」「何を計測するか」「次に何を試すか」という総合的な判断を進められるかが、成果の差につながります。
LLMOのご相談はゴンドラへ
「構造化データは整えた。次に何をすればいいかわからない」
「LLMO対策を試したいが、何から始めればいいか迷っている」
そんな方は、ぜひお気軽にゴンドラへご相談ください。
ゴンドラでは、構造化データの整備・コンテンツ制作・チャットボット設置まで、LLMO対策を一気通貫で支援しています。自社で実践しているからこそ、現場の課題感を持ったうえでのご提案が可能です。
また、ゴンドラでは貴社サイトのLLMO診断も行っております。
- AIにどれほど認識されているのか
- AIへの引用状況はどうなのか
- 競合他社のLLMO状況はどうなのか
上記の情報を盛り込んだレポートを無料で作成しているので、まずはお気軽にご相談ください。
CONTACT お問い合わせ
WRITING 執筆
渡辺 真理
通販や化粧品、アパレルECなど複数の事業会社にて、サイトリニューアルや新規サービスの立ち上げなどの実務を経験。
2018年に株式会社ゴンドラ入社後は、オウンドメディア「LIFT」の運営をはじめ、ウェビナーの開催やインサイドセールスの仕組み化など、自社のマーケティング活動全般を牽引している。事業会社時代に培ったリカバリー力と、外部パートナーとの円滑な協業推進力を武器に、自社の事業成長を多角的に支える。

