顧客との関係性を深め、LTV(顧客生涯価値)を最大化するCRM施策。デジタルチャネルが多様化するなか、メール、LINE、Webなど複数のタッチポイントを活用した統合的なCRM戦略が求められています。
特に注目されているのが、国内月間利用者数9,800万人以上、国内人口の約8割が利用するLINE(2025年6月時点)※。日常的なコミュニケーションツールとして定着したLINEは、企業のマーケティング活動においても欠かせない存在となっています。
LINEには以下の特徴があります。
- プッシュ通知により確実に届く
- 1対1の双方向コミュニケーションが可能
- そしてQRコードで簡単に友だち登録できる
そのため、LINEは従来のメールマガジンと比較すると、顧客との距離を縮めやすいチャネルだと言えるのです。
株式会社ゴンドラでも、LINEを活用したマーケティング施策を支援してきました。本記事では、LINEを活用したCRM施策で成功を収めた事例を2つ紹介します。
※出典:LINEヤフー 媒体資料
LINE配信で成果を挙げた事例
LINE活用を成功に導くカギは、顧客一人ひとりを理解し、適切なタイミングで最適なメッセージを届けることです。そのためには、アンケートや行動データをもとにしたセグメント配信と、顧客の状態に応じたシナリオ設計が欠かせません。
ここでは、LINEならではのきめ細やかなコミュニケーション設計により、売上向上・送客増加を実現した2つの事例を紹介します。
【事例1】某アパレル/ファッションメーカー|LINE×ECで売上向上
「LINE経由のEC売上向上」に取り組んだ、某アパレル/ファッションメーカーの事例を紹介します。
こちらのアパレル/ファッションメーカーは、以下のような課題を抱えていました。
- LINE友だちが非常に多く、一斉配信するとコストが膨大になる
- LINE会員データを利活用したい
- メッセージ配信のパーソナライズを実現したい
- 商品に対して関心度が高い人だけに配信したい
LINE友だち数が70万人という大規模なアカウントを運用していましたが、その規模ゆえに、全員に一斉配信すると配信費用が膨大に。費用対効果が見合わない状況が続いていました。
実施した打ち手(支援内容)
クライアント企業のご要望と課題をふまえ、ゴンドラは「確度の高い顧客・見込み客を手厚くサポートする」戦略を提案しました。注力したのは、LINE公式アカウントの標準機能では実現できない、高度なセグメント配信とパーソナライズです。
具体的に、次の取り組みを実施しました。
- 性別×嗜好性による複数シナリオ、コンテンツの作成
- 「LINEとECサイトID連携」「クリック」など確度が高い顧客・見込み客への手厚いサポート
LINE公式アカウントの標準機能では、メッセージ開封やクリックといった表面的なアクションまでしかアプローチできません。そのため、顧客の興味関心をより深く理解した上で「本当に確度の高いユーザー」へ手厚く配信し、リピートにつなげたいという課題がありました。
そこで、性別や嗜好性に応じた複数のシナリオを用意し、ID連携済みユーザーやクリック行動のあったユーザーなど、確度の高い層に絞った配信を実施。コミュニケーション設計・配信を最適化することで、「知識のインプット」 と 「関係性構築」 に成功しています。
成果
精度の高いセグメント配信と最適なコミュニケーション設計により、LINE経由のECサイト売上が前年比113%に向上。配信対象を絞り込んだことで、配信コストを削減しながらも売上を伸ばせました。
さらなる効果を目指し、今後は以下のより高度なセグメント配信も行っていく予定です。
- ユーザー間でのリッチメニューの出し分け
- お気に入り登録・かご落ちしたユーザーへのリマインド配信
- クーポン配信
【事例2】某住宅メーカー|LINEナーチャリング施策
「LINEを活用した展示会への送客強化」に取り組んだ、某住宅メーカーの事例を紹介します。
こちらの企業のご希望は、以下のとおりです。
- LINEチャネルから展示会への来場・商談を獲得したい
- メール(MA)施策での成功実績はあるが、LINE施策でも同じように成果を出したい
セールスフォース マーケティングクラウド(MAツール)を使ったメール配信での成功実績はありましたが、新たなチャネルとしてLINEの活用を検討。メール配信は継続しつつ、より短いサイクルでコミュニケーションが取れるLINE施策の利点も活かしたいと考えていました。
実施した打ち手(支援内容)
ご希望に応えるために、ゴンドラでは以下の施策を実施しました。
- ナーチャリング/1to1シナリオの設計
- 各リードの状態に合わせたコミュニケーション設計

まず、LINE友だち追加直後にアンケートを実施し、ユーザーの状況を把握しました。
次に、各リードの温度感に合わせた段階的なコミュニケーションを設計。
- オンボード段階:あいさつメッセージとアンケート
- ナーチャリング段階:アンケート結果に基づく興味関心別のコンテンツ配信
上記のようにコミュニケーションを重ねながら、見込み度の高いユーザーには1to1アプローチで個別メッセージを送り、展示会への来場を促進しました。
ターゲットの状態に合わせてメッセージを変えることで、質の高い(商談化しやすい/成約しやすい)送客を実現しました。
※オンボード:新規ユーザーがサービスや製品に慣れ、使い方を理解していくための導入プロセス
ナーチャリング:見込み客を育成するプロセス
成果
LINEでのナーチャリング施策により、展示会への送客数は120%まで向上しました。
ナーチャリング施策の成否は、入口(流入施策)によって大きく変わってきます。どれだけ優れたシナリオを設計しても、友だち追加数が少なければ成果は限定的です。ナーチャリング施策だけではなく、質の高いリード獲得施策もセットで実施できると、より高い成果を得られるでしょう。
LINEを活用して売上UPさせる5つのコツ
LINEを活用して売上を向上させるには、顧客一人ひとりの状態にマッチしたメッセージを届けることが欠かせません。さらに、やみくもに大量配信するのではなく、投資対効果を意識して戦略的に運用することが重要です。
ここでは、ゴンドラがLINE施策を成功へ導くために意識している5つのポイントを紹介します。
アンケートを活用して顧客理解を深める
一斉配信で全員に同じメッセージを送っても、ユーザーの興味関心とズレていれば、ブロックされるだけです。
それを防ぐために有効なのが、外部ツールと連携して、アンケート回答内容に基づいたセグメント配信をすることです。嗜好性やニーズを把握してセグメント分類を行えば、「その人が本当に必要な情報」を効率的に届けられます。
顧客理解を深め、確度が高い顧客・見込み客に絞って手厚く配信することで、配信費用を抑えつつ高い成果が期待できるようになるでしょう。
顧客の温度感に応じてシナリオを設計する
顧客理解を深めたあとは、温度感(ライフサイクルステージ)ごとに最適なコミュニケーション設計をしましょう。例えば住宅メーカーの場合、「流入 → オンボード → ナーチャリング → 1to1 → CV」のように、リードの温度感に応じた設計が大事です。シナリオを設計するときは、「嗜好性・ニーズ×温度感」の2軸が重要です。
温度感別の配信例は、表のとおりです。
| 段階 | 顧客の状態 | 配信内容 |
| 流入 | 友だち追加直後 | あいさつメッセージ、アンケート |
| オンボード | 情報収集中 | ブランド紹介、基礎知識コンテンツ |
| ナーチャリング | 検討中 | 事例紹介、商品比較、お客様の声 |
| 1to1 | 購入検討段階 | 個別相談案内、限定クーポン |
| CV後 | 購入完了 | お礼メッセージ、アフターフォロー |
どれほど魅力的なメッセージでも、届けるタイミングを間違えると効果は半減します。顧客の購買サイクルやライフイベントを把握し、ベストなタイミングで情報を届けましょう。
顧客の行動データに基づいたトリガー配信を行う
ECサイトを例に出すと購入後のサンクスページ、関連商品のレコメンド、かご落ちフォローなど、顧客の行動をトリガーとした配信も効果的です。一斉配信では届けられない「今その人の必要な情報」を届けることが、行動の促進につながります。
例えば、以下のようなトリガー配信が考えられるでしょう。
- 購入完了後:サンクスメッセージ、使い方ガイド
- かご落ち:「カートに商品が残っています」リマインド+限定クーポン
- お気に入り登録:在庫残りわずか通知、セール情報
- 再入荷:「お気に入り商品が再入荷しました」通知
ただし、LINE公式アカウントの標準機能だけでは、高度なトリガー配信はできません。「複数の条件分岐」「Web行動履歴」など、複雑なセグメント配信を行いたいときは、サードパーティツールを活用しましょう。
新規獲得だけではなく既存顧客のLTVを上げることも検討
新規顧客獲得も重要ですが、すでにブランドを知っている既存顧客へのアプローチはより効率的です。「新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる(1:5の法則)」と言われているように、既存顧客のLTVを上げるほうが投資効果が高いためです。
例えば、本記事で紹介しているアパレル/ファッションメーカーでは、さまざまな施策でLTV向上を実施しました。今回は一例をご紹介します。
イベント時の一斉配信
ブラックフライデーなど、年間を通じた大型イベント時には、セグメントを広げて一斉配信を実施。認知を高め、潜在的な購買意欲を刺激しました。
ライフサイクルに合わせた提案
シーズンごとに一定の購買サイクルがあります。こうした顧客のライフサイクルを把握し、適切なタイミングで提案することで、リピート購入を促進しました。
購入後のアフターケア配信
購入直後のお礼メッセージ、1ヶ月後のケア方法紹介、3ヶ月後の関連商品レコメンドなど、段階的なフォローで関係性を深め、次の購入につなげました。
お客様をとことん好きになり理解し、高い価値を提供することで、一人ひとりのLTVを最大化する。これが、LINEマーケティング成功の本質です。
配信費用と効果のバランスを最適化する
LINEは従量課金制のため、やみくもに配信すると費用が膨らみます。セグメント配信やトリガー配信で配信量を最適化しながら、コストを無駄にしない戦略を立てましょう。
LINEの配信が多すぎるとブロックされるリスクが高まりますが、反対に少なすぎても、友だちでいるメリットを感じてもらえなくなる可能性があります。
大型キャンペーン時は一斉配信、通常時はセグメント・トリガー配信というように、タイミングによって使い分けると余計な費用の発生を防げます。
LINEを活用した施策はゴンドラへ
一口にLINE活用といっても、以下のようにやるべきことは多岐にわたります。
- データ基盤の構築とID連携
- リッチメニューやクリエイティブの制作
- 顧客データ分析とセグメント設計
- 各ターゲットに合わせたシナリオ設計
- 配信運用とPDCAサイクル
- 効果測定とレポーティング
LINEマーケティングに挑戦しようとしても、こうした戦略設計・設定の煩雑さからあきらめてしまったり、適切なアプローチができなかったりするケースは珍しくありません。
「LINE公式アカウントは開設したものの、うまく活用できていない」
「ブロック率が高く、配信費用ばかりがかさんでいる」
「もっと売上につながる配信をしたいが、ノウハウがない」
上記のような課題をお持ちなら、ぜひ一気通貫で支援できるゴンドラへご相談ください。
ゴンドラは、顧客データ分析から戦略設計、コンテンツ制作、運用支援まで、CRMに関するあらゆる領域をワンストップで提供しています。「お客様をとことん好きになる」を理念に、貴社の一員となり当事者意識を持って伴走します。
LINE配信で本当の成果を出したい企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事は、2026年2月時点の情報にもとづいています。
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WRITING 執筆
河津 翔太
アイウェア・ジュエリー販売の小売業界から、2022年に株式会社ゴンドラへ中途入社。クライアントの集客課題を解決すべく、Web広告を中心に企画、ディレクション、運用業務に携わる。
現在は、主に小売、メーカー業界のCRMやLINE公式アカウント運用を支援し、顧客エンゲージメント向上に貢献。LINE公式認定資格である「LINE公式アカウント Advanced」を取得。
