LINE広告は、コミュニケーションアプリ 「LINE」に広告を出稿するための広告配信プラットフォームです。
LINE広告を配信するときに、出し方や料金について疑問をお持ちの方は多いかもしれません。本記事では、LINE広告の料金や配信面、ターゲティング方法までまるごと解説します。
これからLINE広告にチャレンジしてみたい企業は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
※なお、本記事に記載の内容は2025年4月末時点のものです。最新の情報については、LINE広告の公式サイトをご覧ください。
このECサイト、新規顧客の獲得数が伸び悩んでいるんですよね……。なにか新しい施策をしたいんですけど、いい広告の出稿先はありませんか?
ふむふむ、そうだなあ……。LINE広告はもう試した?この間、他の案件でやってみたんだけど、なかなかよかったよ。ECサイトとの相性も悪くないんじゃないかな?
LINE広告って……、あの「LINE」の!
INDEX目次
LINE広告とは
私たちにとって馴染み深いチャットツールである「LINE」。仕事やプライベートでLINEを活用している方は多いですが、広告が配信できることを知っている方は少ないかもしれません。
まずは、LINE広告の概要を解説します。
LINE広告のメリットと特徴
「LINE広告」は、日本最大級のユーザー数を誇るコミュニケーションアプリ「LINE」の中で広告を配信できるプラットフォームです。LINE広告には、このようなメリットがあります。
- 幅広い層へのアプローチに有効
- 精度の高いターゲティングが可能
- マーケティング目的に合わせて配信できる
- 少額から手軽に配信できる
- 個人でも出せる
LINEには月間9,700万人(※2024年12月末時点)の利用者がおり、アクティブ率が全体的に高い傾向にあります。また、年齢や性別問わず多くの人に利用されているため、ターゲティングが可能なユーザー層が幅広いのが特長のひとつです。
「TwitterやInstagramなどのSNSはやっていなくても、LINEは利用している」というユーザーは非常に多いものです。そのためLINE広告の配信は、新規顧客層へのアプローチにも効果を発揮してくれるでしょう。
LINE広告のターゲティングの特徴
「LINE広告」の強みは、膨大なデータによるターゲティング精度の高さと、圧倒的なリーチ力にあります。
LINE広告では、年齢・性別・地域・興味関心・行動履歴など、さまざまな属性情報やユーザー情報を用いてターゲティングすることが可能です。さらに、LINEアカウントから獲得できるデータを活用して広告配信をすることもできます。
LINEの強みを生かしてうまくターゲティングすれば、短期間で多くのユーザーへのアプローチが可能。費用対効果の最大化が見込めます。
LINE広告は、まだやったことがなかったです!今までよりも幅広いユーザー層にアプローチができるのは魅力的ですね……!
でしょう?配信先の種類もいっぱいあるんだよ。
LINE広告の配信面一覧
LINE広告を活用すると、以下のようにLINE内のさまざまな場所に広告を配信できます。
- トークリスト
- LINE NEWS
- LINE VOOM
- LINEマンガ
- LINEポイントクラブ
- LINEチラシ
- ウォレット
- LINEマイカード
- LINE広告ネットワーク
- LINEクーポン
- LINEブランドカタログ
- ホーム
- LINE Monary
- LINEオープンチャット
- LINEファミリーアプリ
- LINE公式アカウント
- アルバム
- LINE GAME公式アカウント
- ノート
- LINEスタンプショップ
LINE広告の詳しい配信面をみてみましょう。
トークリスト

「トークリスト」は、LINEのもっともメインな機能である「トーク機能」を使う際に表示される、メッセージの一覧画面です。ここに広告配信すると、トークリストの最上位部分に広告が掲載されます。
商品やサービスのページに誘導できるので、大規模なプロモーションとして非常に有効です。
LINE NEWS

「LINE NEWS」は、アプリ内で閲覧できるニュース記事です。ここに配信を行うと、ニュース画面のトップページや各ニュース記事のページに広告が掲載されます。
「ニュース」を求めるユーザーが見るため、新商品のリリース告知などと相性がいいでしょう。
LINE VOOM

「LINE VOOM」は、旧タイムラインに代わる新たな動画プラットフォームです。「フォロー」しているユーザーの投稿動画や、パーソナライズによっておすすめされる人気動画が表示される仕組みになっています。
ここに配信すると、「LINE VOOM」上に動画広告が掲載されます。視覚情報によってアプローチできるうえ、LINEユーザーには女性も多いため、コスメやアパレルなどの商品との相性が抜群です。
LINEマンガ

「LINEマンガ」は、LINE株式会社が配信しているスマートフォン向けの漫画アプリです。国内の漫画アプリではトップクラスの利用者数を誇ります。
ここに配信すると、アプリ内の広告欄に広告が掲載されます。ユーザー層はLINE同様に幅広く、若年層を中心としつつもさまざまな世代へのアプローチが可能です。
LINEポイントクラブ

「LINEポイントクラブ」は、お買い物などに使えるポイントが取得できる、LINEのポイントサービスです。ポイントは、「友だち追加」「動画視聴」「ミッション」などの条件をクリアすることで獲得できます。
ここに配信すると、動画広告を含むさまざまな形式で広告を掲載できます。貯まったポイントはスタンプや着せ替えの購入に使えるため、ポイントが欲しいユーザーにアクションを起こしてもらいやすい点がメリットです。また、ユーザーの年齢層は幅広いため、さまざまな年代へアプローチできます。
LINEチラシ

「LINEチラシ」は、地域のお店のセール情報や特売情報などをスマホで閲覧できる、デジタルチラシサービスです。ここに配信すると、チラシメディアのTOPページや商品ページなどに広告が掲載されます。
実店舗での商品購入を検討しているユーザーに閲覧されることが多いので、購買意欲の高いユーザーにアプローチできる点が強みです。スーパーやドラッグストア、家電量販店などを中心に、掲載店舗数は日々増加しています。
ウォレット

「ウォレット」は、LINEアプリ内に備わっているお金のやり取りや、管理を一元化できる機能です。ここに配信すると、「ウォレット」のタブ上に広告が掲載されます。
ユーザーの年齢層は10代から50代以上までと、非常に幅広い点が特徴です。
LINEマイカード
「LINEマイカード」は、LINEアプリ内でお店のポイントカードや会員証などをまとめて管理できるサービスです。ここに配信すると、LINEマイカード内に広告が掲載されます。
「ウォレット」同様、ユーザーの年齢層が非常に幅広い点が特徴です。
LINE広告ネットワーク
「LINE広告ネットワーク」は、LINE広告の豊富なキャンペーンを配信・収益化できる、パブリッシャー向けソリューションです。ここに配信すると、LINEやLINE関連サービスに加え、ネットワーク内のさまざまなアプリで広告を掲載できます。
LINEの膨大なユーザーのデータを利用したターゲティングが可能なため、大規模かつさまざまなユーザーにアプローチできるのが強みです。
LINEクーポン
「LINEクーポン」は、飲食店、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、レジャー施設など、全国約50,000店舗※1で使えるクーポンサービスです。画面を提示するだけで手軽に利用できるため、日常的に活用しているユーザーが多い点が特徴です。
ユーザー層は女性が約70%を占めており、特に40〜50代がボリュームゾーンとなります。さらに、月間5,200万人※2が利用する「ウォレット」タブや、「LINEクーポン」のLINE公式アカウントへの導線となっているため、普段からお得情報に敏感な層に向けて効果的にアプローチできます。
※1:2020年9月時点
※2:2022年12月時点
LINEブランドカタログ
「LINEブランドカタログ」は、ファッションや雑貨、スポーツ用品、インテリア、家電、コスメなど、約1,000のオンラインショップの商品をLINEアプリ上で購入できるショッピングサービスです。
サービス開始以降、取り扱いアイテムや機能の拡充が続けられており、現在ではLINE公式アカウントの友だち数が約4,800万人※にまで拡大。ここに配信すると、購買意欲の高いユーザー層へ自然な形でリーチすることが可能になります。
※2024年7月時点
ホーム
「ホーム」は、LINEユーザー自身の空間として設計されたタブです。友だち一覧やファミリーサービスなど、LINE内のさまざまなコンテンツへの導線となる場所です。
ここに配信すると、ユーザーがLINEする利用導線上に自然に入り込む形でリーチが可能となります。プライベートな空間に近い位置にあるため、視認性が高く印象に残りやすい配信面です。
LINE Monary
「LINE Monary」は、節約術や保険、投資など、日々の生活に役立つ“お金の知識”を気軽に学べるコンテンツサービスです。おトク情報に敏感なユーザーに向けて、幅広いテーマを分かりやすく届けています。
広告の主な導線は、月間4,700万人※が訪れる「ウォレット」タブと、「LINE Monary」のLINE公式アカウントです。ここに配信すると、主婦層や金融に興味関心の高いユーザーに対して自然な形でアプローチできます。
※2023年8月時点
LINEオープンチャット
「LINEオープンチャット」は、趣味や関心ごと、年代などの共通点をもつユーザー同士でトークや情報交換ができるチャットサービスです。
2019年の正式リリース以降、安心・安全のガイドラインに基づいて運営されており、匿名で気軽に参加できることから、幅広いユーザーに支持されています。
共通の話題でつながるユーザーが多いため、特定の興味関心を持つターゲット層に向けて、効果的な広告配信が可能な配信面となっています。
LINEファミリーアプリ
「LINEファミリーアプリ」は、LINEが提供するゲームやツール、カメラアプリ、アバターコミュニケーションなど、さまざまなサービスを束ねたアプリメディアです。
この配信面では、幅広いジャンルのアプリを通じて多様なユーザーにリーチできる点が特長です。さらに、LINE広告ネットワークと同様、LINE全体の膨大なデータを活用したターゲティング配信が可能です。
ジャンルごとの特性を活かしながら、多様なユーザー層へ効果的にアプローチできる柔軟性の高い配信面です。
※2024年12月末時点
LINE公式アカウント
「LINE公式アカウント」は、企業や店舗がLINE上でユーザーとつながり、双方向のコミュニケーションを築けるサービスです。友だち追加したユーザーに対して、定期的にメッセージを届けることができます。
LINE公式アカウントのメッセージ内に広告を掲載することで、企業と既につながっているユーザーに向けて、自然な形でのアプローチが可能になります。なお、広告の配信はアカウントオーナーが設定した場合に限られます。
高いエンゲージメントが期待できる、信頼関係のあるユーザーとの接点を活用した配信面です。
アルバム
「アルバム」は、LINEアプリ内で友だちとの思い出を簡単に保存・共有できる機能です。日常の何気ない写真から、特別なイベントの記録まで、多くのユーザーに活用されています。
この機能は、会話や写真のやりとりが活発な20〜30代女性や、思い出を振り返る機会が多い30〜40代男性の間で高い利用率を誇ります。このようなユーザー層をターゲットにしている商材であれば、相性は抜群だといえるでしょう。
※2023年12月末時点
LINE GAME公式アカウント
「LINE GAME公式アカウント」は、LINEが展開するゲームタイトルに関する情報を発信するアカウントです。このアカウントのメッセージ内に広告を掲載することができます。
「LINE GAME」では、パズルなどのカジュアルゲームから、遊ぶことでLINEポイントが貯まる「LINEポイゲ」まで、幅広いジャンルのゲームを提供。国内外で多くのユーザーに親しまれています。
ゲーム内イベントや最新情報を届けるメッセージ内に広告が表示されるため、ゲームに関心の高いアクティブユーザーへのリーチが可能です。
ノート
「ノート」は、LINEのチャットルーム内で、文字や写真を使って大切な情報を共有・保存できる掲示板機能です。イベントの予定やお知らせなどを、グループ内のメンバーとまとめて管理できる便利な機能として活用されています。
特に、LINEを日常的に活発に使っている20代女性に多く利用されており、身近なコミュニティ内での共有手段として親しまれています。
LINEスタンプショップ
「LINEスタンプショップ」は、LINEスタンプや絵文字を購入・ダウンロードできる、LINEアプリ内の専用ページです。無料スタンプの配布や新作スタンプのリリースも頻繁に行われており、スタンプ好きなユーザーが日常的に訪れる場所となっています。
利用者の年齢層は幅広く、LINEのコミュニケーションをより楽しみたいユーザーにとって欠かせないコンテンツです。ここに配信することで、感度の高いユーザー層に向けて効果的にアプローチすることが可能となります。
こんなに沢山!これなら、新しいユーザーの獲得にも効果を発揮してくれる気がします!
ちなみに、掲載面に応じたフォーマットもいろいろあってね。静止画はもちろん、スワイプして画像を見ていくカルーセルや、動画なんかも使えるんだ。
表示形式は5種類!LINE広告のフォーマット

LINE広告には、広告配信面に応じた5種類のフォーマットが存在します。
- Card
- Square
- Vertical
- カルーセル
- 画像・動画+テキスト
各フォーマットの概要を解説します。
Card
横長形式で表示される「長方形型」の広告フォーマットで、静止画と動画を用いることが可能です。LINE広告のほとんどの配信面に対応しています。
Square
「正方形型」の広告フォーマットで、静止画と動画を用いることが可能です。Cardと比べて、スマートフォンの画面に大きく表示されるようになっています。LINE広告のほとんどの掲載面に対応しています。
Vertical
画面を専有するように大きく表示される、動画専用の広告フォーマットです。LINE VOOMのみに対応しています。
カルーセル
スワイプ可能な形式で、静止画を最大10点まで表示できる広告フォーマットです。LINE VOOMやLINE NEWS、LINEポイントクラブなど、一部の掲載面に対応しています。
画像・動画+テキスト
「画像もしくは動画+タイトル」で構成される、トークリスト専用の広告フォーマットです。画像の場合、イラストやテキストなどのモーション再生が可能なフォーマットも利用できます。
ふむふむ、配信面ごとに使えるフォーマットが変わってくるんですね。メモメモ!
そうだね。訴求したい商品やサービスに合わせて、配信面やフォーマットを考えていくといいと思うよ!
わかりました!ところで先輩、さっき「LINE広告ではターゲティングができる」と言っていましたが、どんなターゲィング方法があるんですか?
LINE広告でできるターゲティング方法一覧

「LINE広告」には、主に4つのターゲティング方法があります。
- オーディエンスセグメント配信
- オーディエンス配信
- 類似配信
- 自動ターゲティング
ここからは、各ターゲティング方法をより詳しくみていきましょう。
オーディエンスセグメント配信
「オーディエンスセグメント配信」は、LINEが持つ膨大な年齢・性別、地域、趣味・関心などのデータと照らし合わせてターゲティングする方法です。
以下のような情報を利用できます。
地域セグメント
47都道府県に加え、市区町村の指定配信ができます。さらに、居住地・勤務地・現在地での指定配信・除外配信も可能です。
性別セグメント
男性・女性を指定して配信できます。
年齢セグメント
14歳以下から65歳以上まで年代ごとに切り分けて配信ができます。
- 15-19歳
- 50-54歳 など
OS
Android OS、iOSに加え、各OSのバージョン別の指定配信もできます。
趣味・関心セグメント
次の内容から選択して、ターゲティングできます。
「ファッション、自動車、食べ物飲み物、暮らし・子育て、美容・コスメ、金融、不動産、公営競技・公営くじ、求人、デジタル機器・家電、教育・学習・資格、ペット、健康、ゲーム、書籍・マンガ、音楽、旅行、スポーツ、ニュース・政治、テレビ、ショッピング、エンタメ、インテリア・生活用品、映画」
行動セグメント
次の内容から選択して、ターゲティングできます。
「テレビ視聴頻度、キャリアの変更、コンバージョン、ゲームプレイタイプ、モバイル端末の変更、ネットワークの利用状況、ゴルフ場を訪れた可能性が高い、住宅展示場を訪れた可能性が高い、転居」
属性セグメント
次の内容から選択して、ターゲティングできます。
「配偶者、子供、携帯キャリア、推定収入、職業、誕生日、居住タイプ、最終学歴、世帯資産」
ただし、これらの属性データはあくまで「みなし」情報であるため、あまり精度が高くないことを理解しておきましょう。「とにかく大勢に配信したい!」「広くアプローチしたい!」という方におすすめのターゲティング方法です。
購買意向セグメント
以下の購買意向ターゲティング項目より選択が可能です。
「自動車、美容・コスメ、暮らし・子育て、ファッション、小売、食べ物飲み物、健康、金融、書籍・マンガ、インテリア・生活用品、スポーツ用品、デジタル機器・家電、アプリ、ペット、教育・学習・資格、旅行、エンタメ」
その他
以下のような、Yahoo!広告で提供されている共通オーディエンスリストを利用することもできます。
- Yahoo! JAPAN 興味関心セグメント
- Yahoo! JAPAN 購買意向セグメント
- Yahoo! JAPAN 属性・ライフイベントセグメント
オーディエンス配信
「オーディエンス配信」は、電話番号やメールアドレス、IDなど、ユーザーのデータを使って、広告配信するユーザーを絞り込む方法です。
たとえば、次のような情報を利用できます。
ウェブトラフィックオーディエンス
「サイトを訪問したユーザー」のデータを利用してターゲットを設定します。「LINE Tag」を使ったWeb計測をすることで、利用可能になります。
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス
LINE公式アカウントの友だち、ブロック中の友だちのデータを利用してターゲットを設定します。
IDFA/AAIDアップロード
保有している「IDFA/AAID」のデータを利用してターゲットを設定します。これらは端末識別に割り振られたIDで、「IDFA」はiOS、「AAID」はAndroidの端末を識別しています。
モバイルアプリオーディエンス
「アプリを開いた人」「アプリ内で購入した人」など、アプリ内の行動(イベント)に基づいたデータを利用してターゲットを設定します。
動画視聴オーディエンス
「指定の動画広告を視聴したユーザー」のデータを利用してターゲットを設定します。再生率などを指定することも可能です。
電話番号アップロード
保有している「電話番号」のデータを利用してターゲットを設定します。
メールアドレスアップロード
保有している「メールアドレス」のデータを利用してターゲットを設定します。この方法では、特定のユーザーを狙い撃てるので、精度の高いターゲティングが可能になります。
類似オーディエンス
すでに作成したオーディエンスと似ているユーザーを探し、オーディエンスサイズを拡張します。類似度は1〜15%、または自動から選択できます。
画像クリックオーディエンス
キャンペーンIDを指定して、そのキャンペーンで使用されている画像をクリックした人のオーディエンスを作成できます。
類似配信
「類似配信」は、オーディエンス配信の設定を「ソースオーディエンス」として用いるターゲティング手法です。ソースオーディエンスに含まれるユーザーと「行動が類似しているユーザー」をターゲティングします。
たとえば、過去に成約したユーザーなど「すで関わりのあるオーディエンス」をソースオーディエンスとして設定することで、成約に繋がりやすいユーザーを狙い撃ちできます。類似率となる「オーディエンスサイズ」は、1〜15%の中で設定できて、自動設定をすることも可能です。
類似率が高いほど確度の高い配信ができますが、そのぶんアプローチの範囲は狭くなります。反対に、類似率が低いと確度は下がりますが、アプローチの範囲は広くなります。
配信の目的に合わせて設定を行いましょう。
自動ターゲティング
「自動ターゲティング」は、設定した条件に合致するユーザーの中から、クリックやコンバージョンなどのイベント実行が見込めるユーザーを自動で見つけ出し、最適なオーディエンスへ広告を配信する機能です。
年齢・性別・地域・OSといった基本的なセグメントを設定することもできますが、あえて何も設定せずに完全自動でターゲティングすることもできます。設定はワンクリックで完了するので、配信初心者でも手軽に使える点が魅力です。
設定を「ON」にしたあと、配信開始から最大48時間以内にイベント実行が期待できるユーザーを探索し、広告配信を最適化してくれます。たとえば「クリック数の最大化」を目的とした場合は、クリックしてくれそうなユーザーをLINEの膨大なデータから自動で選び、アプローチします。
ざっくり言うと、LINE広告には「アプローチ先を絞って精度を高くする配信方法」と「精度は低いけど広範囲にアプローチする配信方法」があるんだよ!
な、なるほど……!そういうことだったんですね!こんなにたくさんのターゲティング方法があると、どれがいいのか迷ってしまいますね……。
ターゲティングに種類があるのは他の媒体でもいえることなんだけど……。どんな媒体を使うにしても、大切なのは「目的に合ったターゲティング方法を選ぶ」ことだね!
LINE広告ターゲティングのコツ
ユーザー数が多い「LINE」を活用すれば、広告を配信できる分母が大きくなるので、他のSNSではリーチしにくい層までアプローチできる可能性が高いです。そのため、効率的に広告を配信できれば、施策の効果を高められるでしょう。
ここでは、LINE広告を効率的に配信するために知っておきたい、ターゲティングのコツを2つご紹介します。
- 最初から絞り込みすぎない
- 目的に合わせてターゲティングの種類を変える
各項目を詳しくみてみましょう。
最初から絞り込みすぎない
LINE広告で配信先をターゲティングするときは、最初から絞り込みすぎないことをおすすめします。なぜなら、ターゲティングに使用するオーディエンスデータに「みなし属性」が含まれるためです。
みなし属性は、ユーザーが任意で登録した情報やLINE内の行動履歴をもとに分類されるため、どうしても精度が下がってしまいます。そのため、最初からターゲットを絞りすぎると、自社の顧客になり得たユーザーに広告を配信する機会を損失してしまう可能性があるのです。
まずはターゲットに幅を持たせて配信し、検証を繰り返しながら自社にとって最適なターゲティング方法を見極めましょう。
目的に合わせてターゲティングの種類を変える
LINE広告には多くのターゲティング方法があるため、目的に合わせて最適なものを活用することが大切です。
たとえば、認知拡大を目的としている場合は「浅く広く」配信できる「オーディエンスセグメント配信」が適しています。顧客獲得を目的としている場合は、精度の高い「オーディエンス配信」がおすすめです。
ターゲティング方法は、「施策を通して、何の成果を得たいのか」を考えて選ぶようにしましょう。
まずは「何を得たいのか」を考えて、そこから逆算して「何をするか」が大切なんですね!
ちなみにLINE広告って、だいたいどれくらいの予算がかかるんでしょうか?今回、先方の希望としては、これくらいに収めたいそうなんですが……。
LINE広告の費用
LINE広告を配信するときに気になるのが、費用の相場でしょう。ここでは、LINE広告の費用に関する基本知識を解説します。
- LINE広告の料金が決まる仕組み
- LINE広告の課金方式
- LINE広告の入札方法
3つの項目について詳細を説明します。
LINE広告の料金が決まる仕組み
「LINE広告」は、競合が多いほど広告単価が上がる「オークション形式」の広告です。そのため、決まった「最低出稿金額」は存在せず、予算に合わせて配信できます。
しかし、「オークション」という特性上、極端に低い予算で組むと広告が表示されなくなるので注意が必要です。
効果的な配信のためにも、テストや分析などをしっかり行い、予算を調整しながら運用していくようにしましょう。
なお、LINE公式では、「月30万円」の予算で「3か月以上」の広告運用を推奨しています。必ずこの通りに運用する必要はありませんが、ひとつの目安にすると良いでしょう。
LINE広告の課金方式
LINE広告の課金方式には、3つの種類が存在しています。それぞれにメリット・デメリットがあるので、ここで特徴を整理しておきましょう。
クリック課金制(CPC)
広告がクリックされるごとに料金が発生する課金方式です。広告表示だけでは費用が発生しないため、無駄なコストを抑えられるというメリットがあります。ただし、広告をクリックするユーザーが必ずしも自社のターゲットとは限りません。
「表示だけなら無料だし、とにかくたくさん配信しよう」という施策では、費用対効果は高められないでしょう。クリック課金制であっても、適切にターゲティングする必要があります。
インプレッション課金制(CPM)
広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する課金方式です。動画広告を配信する場合のみ、インプレッション課金が適用されます。クリック数が多くても費用が変わらない一方で、クリックされなくても費用が発生する点がデメリットです。
認知拡大には高い効果を発揮してくれますが、広告をクリックしてもらえる質の高いクリエイティブが不可欠となります。
友だち追加課金型(CPF)
広告を通してユーザーが友だち登録してくれたときに料金が発生する課金方式です。自社への興味が強いユーザーと繋がれるため、費用対効果が非常に高い点が特徴です。
LINE広告の入札方法
LINE広告の入札方法は、「自動入札」と「手動入札」の2種類です。
自動入札は、あらかじめ設定しておいたイベント単価や予算に合わせて入札額が自動的に調整される入札方法です。機械学習させることも可能で、手間をかけずとも最適な広告配信を実現してくれます。
一方で手動入札は、文字通り広告配信者が入札額をその都度手動で変更する方法です。「確実に広告を配信したいから高めの入札額にする」「予算が限られているから入札額をコントロールする」など、細かく調整できる点がメリットです。
なるほど!これなら、予算的にも先方にご提案できる気がします!ありがとうございます~!
ところでビギニャー君。LINE広告を先方に提案するのはいいんだけど、LINE広告の出し方はわかっているの?
へ?出し方!?そういえば知りませんでした……!
LINE広告の出し方
LINE広告を配信するときの設定手順は、以下のとおりです。
- LINEビジネスIDの発行
- 広告アカウントの作成
- クレジットカードの登録
- メディア登録とLINE Tagの設置
- 配信設定
各手順のポイントを簡単に説明します。
LINEビジネスIDの発行
まずは、公式サイトの登録画面からLINEビジネスIDを発行しましょう。画面の表示に従って、メールアドレスや名前、パスワードなどを入力してください。アカウントを作成したあとは、「ビジネスアカウントでログイン」からログインします。
広告アカウントの作成
次に、LINE広告の管理画面にログインして、広告アカウントを作成しましょう。 「+新しい広告アカウントを作成」をクリックし、広告主情報や商材情報、基本情報を入力します。
入力する箇所が多いうえ、入力内容は審査にかけられます。一度承認された広告アカウントは削除できないので、正しく入力してください。
クレジットカードの登録
作成した広告アカウントをクリックし、広告マネージャーを開きましょう。左上の3本線を選択し、「請求と支払い」に進みます。請求先一覧が表示されるので、クレジットカード情報を登録する請求先をクリックし、カード番号などを登録してください。
メディア登録とLINE Tagの設置
広告マネージャー左上の3本線をクリックし、「共有ライブラリ>メディア」に入り、クリエイティブをアップロードします。LINE広告には審査ルールがあるので、遵守したものをアップロードするようにしてください。
次に、広告計測用のタグを設定しましょう。LINE広告には、3つの種類のタグがあります。
- ベースコード:ユーザーの行動を計測する全ページに設置するコード
- コンバージョンコード:コンバージョンを計測したいページに設置するコード
- カスタムイベントコード:自由にラベリングをカスタムできるコード
各タグは、LINE広告管理画面の「トラッキング(LINE Tag)」から取得できるので、それぞれ適切な位置に設置します。なお、タグマネージャーを使用して管理することも可能です。
配信設定
最後に、広告の配信設定を行います。広告マネージャーで「キャンペーン>+キャンペーンを作成」をクリックしてください。
キャンペーンの目的を選択し、広告グループを作成してターゲットや配信フォーマットなどを設定します。アップロードしておいたクリエイティブとキャンペーン、広告グループを紐づけたら、配信設定は完了です。
先輩、ありがとうございます!僕でも設定できそうで、安心しました。
そうだね。そんなに難しい操作は必要ないから、一回設定すればすぐに慣れると思うよ。
そうだ!LINE広告にはね、掲載できない業種や商材もあるんだ。それについても説明しておこうかな。
こんな場合は配信NG!?LINE広告の注意点
「LINE広告」には、掲載できない業種・商材の広告があります。
配信を検討する際は、当てはまるものがないかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
- ギャンブル関連(公営競技・宝くじ、スポーツ振興くじ・パチンコ等は除く)
- アダルト関連
- 連鎖販売取引
- たばこ、電子タバコ (一部当社が認めた場合を除く)
- 武器全般、毒物・劇物
- 未承認医薬品・医療機器等
- 情報商材
- チケット不正転売
- その不適合と判断された業種・業態、商品・サービス
また、以下の商材は掲載可能ですが、ユーザーの健康に直接的な影響を与える可能性が高いため、一定の規制・基準が設けられています。
- 化粧品・薬用化粧品(医薬部外品)
- 食品・健康食品
- 医薬品・医療機器
- 医療機関
- 健康器具・美容関連器具
該当する場合は、あらかじめ広告審査のガイドラインをチェックしておきましょう。
そ、そうだったんですね!危ないところだった~!!
ECサイトのクライアントさんにご提案する前に、まずは色々調べてみるといいよ。
わかりました、先輩っ!ちなみに、LINE広告には運用のコツとかってあるんですか?
LINE広告で成果を出す運用のコツ
LINE広告の配信でしっかりと成果を出したいときは、4つのコツを意識することがおすすめです。
- 自動入札を活用する
- 動画広告を積極的に活用する
- 定期的に新しい広告を出稿する
- 類似オーディエンスを活用する
各ポイントを詳しく解説します。
自動入札を活用する
LINE広告を配信するときは、可能であれば自動入札を利用しましょう。LINE広告では、広告グループ単位で約40件以上のCVがあればAIによる自動入札ができるようになります。
最適な入札価格を自動で設定してくれるので、手間を省きつつ費用対効果の高い入札価格にできます。自動入札は、機械学習によって使うほど精度が上がっていくため、効率的かつ効果的にLINE広告を配信したい方におすすめです。
動画広告を積極的に活用する
LINE広告では、動画広告を積極的に活用しましょう。
まだまだ静止画が主流のLINE広告において、映像や音で訴求できる動画は強いインパクトを残してくれます。動画コンテンツは、個人のちょっとした暇つぶしのために視聴されることが多い傾向にあります。
そのため、私生活につながる内容の商材と相性が抜群です。特にファッションやコスメ、趣味娯楽、ショッピング系に関連する業種の企業は、ぜひ積極的に活用してみてください。
定期的に新しい広告を出稿する
LINE広告を配信するときは、定期的に新しい広告を出稿しましょう。
多くのユーザーに見てもらえて成果を検証しやすいLINE広告は、非常に検証スパンが短い広告です。そのため、積極的にPDCAサイクルを回して、よりよい広告を次々に配信できるのです。
少ないクリエイティブで、広告の効果を最大化するのは難しいものです。定期的に広告の成果を検証し、それを反映した新しい広告を出稿することが成功への近道となります。
類似オーディエンスを活用する
LINE広告でターゲティングするときは、必ず類似オーディエンスを活用しましょう。類似オーディエンスは、作成したオーディエンスリストに含まれるユーザーと類似する人々に広告を配信するターゲティング手法です。
コンバージョンしたユーザーや、自社のLINE公式アカウントを友達登録しているユーザーに似たユーザーをターゲティングできます。自社と親和性の高いユーザーを狙い撃ちできるので、確度の高いアプローチを行えるでしょう。
先輩、ありがとうございます!これで、僕も自信を持ってLINE広告をクライアントさんへおすすめできそうです!
よかったよかった。これから施策にLINE広告を取り入れる機会が増えそうだし、最後にLINE広告の企業活用事例をみておこうか。
はい、先輩!ありがとうございます!
LINE広告配信の成功事例
実際にLINE広告を活用してマーケティングを成功させた企業の成功事例を2つご紹介します。
株式会社仙台銀行|ローン獲得件数が12倍にまで成長
地方銀行である「株式会社仙台銀行」は、LINE広告とLINE公式アカウントを併用したローン申込新規獲得施策を実施。LINE広告を活用して友達追加を促し、商品への関心が高い友達を集客しつつ、チャットコマースでナーチャリングを行いました。
その結果、施策を開始してから5ヶ月でローン申込数が12倍まで成長。顧客獲得単価(CPA)を抑えつつ、大きな成果を残しています。
株式会社オープンハウスグループ|コンバージョン率(CVR)158%改善
総合不動産会社である「オープンハウスグループ」は、2018年よりLINE広告の運用を開始。2021年10月より運用をインハウス化するにあたり、データと現場の声を反映した施策を実施。
「トレンド」と「顧客理解」を掛け合わせ、多いときは月当たり700点近くのクリエイティブを制作しています。その結果、CVRは前年比158%改善、CPAは82%も抑制できました。
よ〜し、さっそくクライアントさんに提案のメールをしてみようっと!
うんうん、がんばってね。うちの会社はLINE広告運用に強みを持っているから、わからないことはいつでも質問してね。
はいっ!ありがとうございます!
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WRITING 執筆

LIFT編集部
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