駅広告の種類と費用一覧|おすすめ代理店と出稿手順、費用対効果を高めるポイントを解説

駅広告の種類と費用一覧|おすすめ代理店と出稿手順、費用対効果を高めるポイントを解説

毎日数万人から数十万人が利用する駅は、多くのターゲットにアプローチできる絶好の広告掲出スペースです。通勤・通学で毎日同じ駅を利用する人が多いため、繰り返し広告を見てもらうことで、記憶に強く残ったり購買意欲を高めたりする「反復訴求効果」が期待できます。

しかし、駅広告に興味を抱きつつ、「費用が高そう」「提示が難しそう」という不安から最初の一歩を踏み出せない企業は少なくありません。

この記事では、駅広告の種類別費用から出稿手順、費用対効果を高めるポイントまで、基本的な情報を解説します。

駅広告の料金が決まる仕組み

駅広告の料金は、主に以下の3つの要素によって決まります。

  • 駅ランク
  • 広告枠の大きさ
  • 掲出期間

費用の目安を知るために、まずは料金体系を理解しておきましょう。

駅ランク

駅広告の料金は、各駅の利用者数や立地によって決められた「駅ランク」が大きく影響します。

例えば、JR東日本では、首都圏エリアの駅を以下のようにランク分けしています。

駅ランク東京エリア横浜エリア八王子エリア大宮エリア千葉エリア
S新宿・渋谷
A東京・有楽町・新橋・浜松町・田町・品川・目黒・恵比寿・原宿・高田馬場・池袋・上野・秋葉原・御茶ノ水・四ツ谷・中野・赤羽・柏川崎・横浜・藤沢・町田吉祥寺・国分寺・立川・八王子大宮西船橋・船橋・津田沼・千葉
B大井町・大森・蒲田・大崎・五反田・代々木・目白・巣鴨・水道橋・飯田橋・荻窪・神田・西日暮里・北千住・松戸東戸塚・戸塚・大船・茅ヶ崎・平塚・小田原・桜木町・関内・武蔵小杉三鷹・武蔵小金井浦和・さいたま新都心・宇都宮錦糸町・市川
C新大久保・大塚・駒込・市ケ谷・信濃町・千駄ヶ谷・大久保・東中野・高円寺・阿佐ケ谷・西荻窪・御徒町・鶯谷・日暮里・田端・王子・東十条・板橋・十条・亀有・金町・馬橋・新松戸・北小金・南柏・我孫子・取手鶴見・東神奈川・辻堂・熱海・逗子・武蔵中原・武蔵新城・武蔵溝ノ口・登戸・菊名・橋本・鴨居・新横浜・長津田・淵野辺・石川町・保土ケ谷・山手・新杉田・磯子・洋光台・港南台・本郷台・鎌倉分倍河原・武蔵境・国立・日野・豊田・西八王子・高尾・拝島北朝霞・南越谷・川口・西川口・蕨・南浦和・北浦和・武蔵浦和・久喜浅草橋・両国・亀戸・平井・新小岩・小岩・本八幡・新検見川・稲毛・西千葉・四街道・木更津・新木場・新浦安・都賀
D上中里・北赤羽・浮間舟渡・南千住・北松戸・北柏・天王台新川崎・新子安・二宮・鴨宮・中野島・尻手・矢向・鹿島田・向河原・稲田堤・大口・十日市場・成瀬・中山・根岸・北鎌倉・横須賀・衣笠・伊東・相模原西府・府中本町・新秋津・東小金井・西国分寺・甲府・昭島・福生・羽村・小作・河辺西浦和・東浦和・東川口・越谷レイクタウン・吉川・吉川美南・三郷・与野・戸田・戸田公園・北戸田・中浦和・与野本町・南与野・東大宮・蓮田・白岡・古河・栗橋・小山・日進・西大宮・指扇新八柱・東松戸・市川大野・船橋法典・下総中山・東船橋・幕張本郷・幕張・佐倉・成田・二俣新町・海浜幕張・稲毛海岸・検見川浜・蘇我・八幡宿・姉ケ崎・五井・君津・茂原
E西大井・南流山・尾久・三河島大磯・国府津・真鶴・湯河原・宿河原・小机・古淵・矢部・東逗子・久里浜稲城長沼・谷保・西国立・新小平・東所沢・新座・北府中・上野原・東中神・中神・東青梅・武蔵五日市・南多摩新三郷・北与野・土呂・東鷲宮・野木・南古谷葛西臨海公園・市川塩浜・南船橋・新習志野・千葉みなと・本千葉・長浦・鎌取・誉田・土気・大網・湖北・布佐
F早川・津田山・北茅ケ崎・寒川・海老名・原当麻・上溝・田浦・宇佐美片倉・八王子みなみ野・相模湖・山梨市・石和温泉・韮崎・東秋留・秋川新白岡・間々田・小金井・自治医大・石橋・雀宮・矢板・西那須野・那須塩原・鹿沼浜野・東千葉・上総一ノ宮・物井・酒々井・安食
G伊豆多賀日野春・酒折蒲須坂・鶴田下総松崎

※出典:株式会社ジェイアール東日本企画|JR線駅ランク別広告料金
※2025年7月末時点

S駅やA駅などの主要駅ほど、利用者数が多く広告効果が高いため、料金も高額に設定されています。一方で、広告ランクが下がっていくほど、比較的安価に広告を出稿できるようになります。

必ずしも、多くの予算をかけて広告ランクが高い駅に掲出したほうがよいとは限りません。商材の特性やターゲットをよく考慮したうえで、自社にとって最適な掲出場所を見極めることが大切です。

広告枠の大きさ

広告のサイズが大きくなるほど、目立ちやすく視認性も高まるため、料金も高額になります。同じ駅でも、大型ボードと小型のポスター枠では数倍から数十倍の料金差が生じることも珍しくありません。

予算と目的のバランスを考慮し、最適なサイズを選択することが重要です。認知度向上が目的なら大型広告、コストを抑えつつターゲットにリーチしたい場合は小型広告を検討するとよいでしょう。

掲出期間

多くの駅広告は1週間を最小単位として料金が設定されています。

長期間の掲出になるほど総額は高くなりますが、単価は安くなる傾向があります。継続的な訴求やブランディングを目的とする場合は、長期契約を検討するとよいでしょう。

【種類別】駅広告の費用一覧

駅広告には、以下のように複数の種類があり、それぞれ特徴や費用が大きく異なります。

  • 駅看板広告
  • ポスター広告
  • 柱巻き広告
  • フラッグ広告
  • 大型ボード広告
  • デジタルサイネージ広告

以下では、主要な駅広告の種類別に特徴と費用目安を紹介します。

なお、具体的な駅広告の掲出費用は、駅や掲出場所、掲出スペース、掲出期間によって変わってきます。本記事で紹介しているのはあくまで目安なので、詳しい費用を知りたい場合は、必ず個別で見積りを取っておきましょう。

※首都圏、大都市圏、地方中核都市のカテゴライズ

エリア参考駅
首都圏新宿、渋谷、表参道など一等地
大都市圏さいたま、千葉、横浜、川崎、名古屋、大阪など利用人口が多い駅
地方中核都市上記以外

駅看板広告

駅構内にサインボードやシートを設置して掲出する広告です。一般駅ばりやパノラマなど、さまざまな種類が用意されており、長期間の掲出が可能なため継続的なブランディングに適しています

改札周辺や通路の壁面など駅利用者の動線上に配置されるので、視認性が抜群です。通勤や通学など、頻繁に駅を利用するターゲットへの訴求に効果的でしょう。

特に、改札正面のような多くの人が必ず目にする位置に広告を掲出できれば、一気に認知度を向上させることが可能です。

費用例(1週間)

  • JR東日本 ハチ公改札内Grandeボード2 400万円
  • JR東日本 新宿東改札外GREENシート 330万円
  • JR東日本 大宮中央改札外正面(南・北)シート 180万円
  • JR東日本 さいたま新都心改札外ビッグシート 15万円

地域別価格目安(1週間)

エリア料金目安
首都圏150万~500万円
大都市圏100~300万円
地方中核都市15万円~
※2025年7月末時点の情報です。

大型ボード広告

駅ホームや通路などの壁面に大々的に掲出できる広告です。

とにかく大きいため目立ちやすく、遠くからでも視認できる圧倒的な存在感が特徴です。駅の象徴的な場所に設置されることが多く、ブランドイメージの向上や大規模なキャンペーン告知に適しています。

特に、新宿や渋谷などの主要ターミナル駅では、駅全体をジャックするような大型広告も展開可能なので、話題性を重視している場合におすすめです。戦略次第ではSNSでの拡散効果も期待できるため、広告効果を駅の外にまで広げることも可能です。

費用例(1週間)

  • JR東日本 新宿中央通路ハーフジャック+(プラス) 1,000万
  • JR東日本 JR横浜タワーアトリウム大型バナー【Aタイプ】 250万
  • JR東日本 新橋汐留凸凹ボード 150万円
  • 名鉄 中部国際空港駅ビッグサインボード 10万円

地域別価格目安(1週間)

エリア料金目安
首都圏200万~1,500万円
大都市圏80万~200万円
地方中核都市10万~
※2025年7月末時点の情報です。

ポスター広告

駅構内に短期間(基本は7日間)掲出されるポスターの広告です。

一般的に、サイズが大きくなるほど費用も高くなる傾向があります。複数枚を連続して貼る「連貼り」や、縦長の「ロングサイズ」など、バリエーション豊かな掲出方法を選択可能です。

短期集中的な認知拡大やイベント告知に適していて、比較的手軽に始められる駅広告として人気があります。また、同一駅の複数箇所に掲出することで、反復訴求効果を高めることも可能です。

費用例(1週間)

  • 東京メトロ 表参道駅集中展開 1,500万円
  • 東京メトロ 渋谷駅集中展開 900万円
  • JR東日本 池袋連貼10(A・B) 152万円
  • JR東日本 ロングサイズ池袋 38万円

地域別価格目安(1週間)

エリア料金目安
首都圏150万~1,500万円
大都市圏30万~150万円
地方中核都市10万円~
※2025年7月末時点の情報です。

柱巻き広告(アドピラー)

駅にある柱にシートを巻いて掲出できる広告です。

柱の全面を使用して空間をジャックできるため、インパクトが強く、360度どの角度からも視認できる点が最大の特徴です。人通りの多いコンコースや改札周辺の柱を活用すれば、企業や商材への注目度を一気に高められます。

立体的な広告展開が可能で、ブランドの世界観を表現しやすいところも大きな魅力です。通行人が柱の周りを移動する際に、自然と広告に視線が向くため、強い印象を残すことができます。

費用例(1週間)

  • JR東京駅 アドピラー(八重洲南口コンコース) 430万円
  • JR東日本 池袋南改札内柱シートセット 230万円
  • 東京メトロ 表参道駅 柱巻広告 200万円
  • JR東日本 新橋駅 55万円

地域別価格目安(1週間)

エリア料金目安
首都圏150万~450万円
大都市圏50万円~120万円
地方中核都市10万円~
※2025年7月末時点の情報です。

フラッグ広告

改札周辺や通路などの天井から吊るす広告です。

交通量が多い場所に設置されるため、認知拡大に効果的です。上から垂れ下げる形で設置されるので、人々の視線を自然と集めやすく、混雑した駅構内でも確実に目に留まります

横断幕タイプが一般的で、駅の空間を有効活用した広告展開が可能です。電車を利用する人はもちろんのこと、駅構内の店舗や施設を利用するターゲットにもアプローチが可能です。

費用例(1週間)

  • JR品川駅 フラッグ広告(中央改札内) 550万円
  • JR東日本 品川京急乗換改札前横断幕 150万円
  • JR東日本 品川自由通路北改札上横断幕 120万円
  • JR国分寺駅 フラッグ広告(改札内) 32万円

地域別価格目安(1週間)

エリア料金目安
首都圏150万~600万円
大都市圏70万~250万円
地方中核都市20万円~
※2025年7月末時点の情報です。

デジタルサイネージ広告

駅構内や改札周辺などに設置されているモニターに広告を配信する形式です。配信期間が他の駅広告よりも長く設定されており、費用も安価な傾向にあります。

動画(と一部は音声)で訴求できるため、短時間で多くの情報を伝達できる点が最大のメリットです。静止画では表現しきれない商品の魅力や、ストーリー性のあるメッセージを効果的に伝えられます。

また、時間帯や曜日によって異なる内容を配信することも可能なので、ターゲットに応じた最適なタイミングでの訴求が実現できます。デジタルならではの鮮明で美しい映像は、通行人の注意を強く引きつけ、インパクトの強い広告展開を実現してくれるでしょう。

費用例(4週間)

  • JR東日本 NewDays ビジョン 貸切ビジョン 新宿南口中央 75万円
  • JR東日本 NewDays ビジョン 貸切ビジョン 品川中央 35万円
  • JR東日本 J・ADビジョン 桜木町駅 11万円
  • JR東日本 J・ADビジョン 赤羽駅北改札 5万円

地域別価格目安(4週間)

エリア料金目安
首都圏30万~80万円
大都市圏10万~50万円
地方中核都市5万円~
※2025年7月末時点の情報です。

駅広告を出稿できる代理店

駅広告の出稿には、専門知識と鉄道会社との取引実績が必要なため、信頼できる代理店の選択が成功のカギとなります。

以下では、駅広告に強みを持つ主要な代理店を紹介します。

株式会社ゴンドラ

  • Web広告とデジタルOOHのクロスメディア戦略
  • MASTRUM運用による効果測定
  • 戦略立案からクリエイティブ制作、効果測定まで一貫対応
  • 予算全体を任せられるトータルプランニング力

株式会社ゴンドラは、「Web広告×デジタルOOH(屋外広告)」を組み合わせた統合的なマーケティング支援を提供する代理店です。

従来の駅広告では困難だった効果測定の課題を、データの可視化に特化したデジタルOOHプラットフォーム「MASTRUM」とWebマーケティングで培ったノウハウを活用して解決。さらに、戦略立案からクリエイティブ制作、効果測定・改善まで社内の専門家が一貫して内製対応するため、スピード感のある広告展開が可能です。

予算を丸ごと任せられるトータルプランニング力が強みで、最適なメディア選定やチャネル配分をオーダーメイドでコーディネートします。Google Analytics 4 (以下、GA4)やGoogle Search Console(以下、サーチコンソール)などのツールを用いた“Web視点からの改善提案”に力を入れており、クロスメディア効果の測定にも対応しています。

株式会社オリコム

  • 創業100年の豊富な実績
  • 全国の鉄道会社との強固なネットワーク
  • 独立系の広告会社

株式会社オリコムは、創業以来100年以上の歴史がある総合広告会社です。OOHのパイオニアとして蓄積されてきた、業界随一のデータやナレッジを保有しています。

全国の主要な電鉄会社と直接取引できるオペレーション力があるため、全国の電車やバスなどの公共輸送機関へのスムーズな広告掲出が可能。どの電鉄会社・媒体社のグループにも属していないため、中立の立場から一社一社にとって最適な提案をしてくれます

株式会社春光社

  • 交通広告の専門代理店として90年以上の実績
  • メディア・プロモーションプランニングから制作まで対応
  • 交通広告以外の媒体と組み合わせた戦略も得意

株式会社春光社は、90年以上の実績を持つ交通広告の専門代理店です。各種マーケティングツール・過去事例などを利用した効果的なメディアプランニングを得意としており、企画立案から制作、実行まで一気通貫で任せることが可能です。

特に、ブランドを強く印象付ける施策や、SNSで拡散される話題性の高い企画を得意としています。通行人にグッズを取っていってもらう「ピールオフ広告(※1)」など、ユニークな広告を希望している企業に適しています。

駅広告のメリット

駅広告は、他の広告媒体にはない以下のような特徴を持っています。

  • 視認性が高い
  • ターゲティングしやすい
  • 反復訴求効果が高い
  • 信頼性とブランド価値が向上する

駅広告ならではのメリットを知っておくと、より費用対効果の高い方法で活用することが可能になります。各項目がどのようなことなのか、詳しくみていきましょう。

視認性が高い

駅は多くの人が日常生活の中で訪れる場所なので、そこに広告を掲出することで、接触率や視認性を最大限まで高めることが可能となります。電車を待つ間や改札を通過する際など、自然と広告に目が向く環境を活用すれば、確実に多くのターゲットにリーチできるでしょう。

特に、朝夕の通勤ラッシュ時間帯では、同じ人が同じ場所を確実に通過するので、広告への接触機会が格段に増加します。Web広告のように意図的に避けられることが少なく、強制視認性が高い点も駅広告ならではの強みです。

ターゲティングしやすい

駅ごとに利用者の特性が明確に分かれるため、エリアの特性に適したターゲティングが可能です。

例えば、店舗の近くの駅だけに広告を掲出することで、費用を抑えながら地域密着型のアプローチが可能となります。さらに、学生向けの広告を大学の最寄り駅に掲出すれば、効率的にターゲットへ訴求できるでしょう。

ビジネス街ではBtoB商材、住宅街では生活関連商材といったように、駅周辺の環境に応じた商材マッチングも可能です。精密なターゲティングが可能な駅広告の特徴を活かすことで、無駄な広告費の大幅な削減を目指せます。

反復訴求効果が高い

駅を利用する人は、毎日・定期的に利用し続けることがほとんどなので、同じ人に何度も広告を見てもらえる「反復訴求効果」が期待できます

一般的に、人は同じメッセージに3回接触すると記憶に定着し(※2)、7回接触すると信頼や親近感が醸成される(※3)といわれています。毎日訪れる場所に設置できる駅広告は、この条件を満たしやすい媒体だといえるでしょう。

特に、新商品の認知拡大や企業のブランディング施策において、この反復効果は高い効果を発揮してくれます。

※2:スリーヒッツ理論
※3:セブンヒッツ理論

信頼性とブランド価値が向上する

駅という公共性の高い場所に広告を掲出することで、企業やブランドの価値向上にもつなげられます。駅広告を掲出するには厳格な審査を通過する必要があるので、消費者からの信頼感を高めやすくなるでしょう。

また、主要駅での大型広告展開には、企業の業績や安定性をアピールする効果もあります。「実績がある企業だ」「信頼できる企業だ」と思ってもらえれば、採用活動や投資家向けのIR活動にもプラスの影響が出てくるでしょう

駅広告のデメリット

駅広告には多くのメリットがある一方で、導入前に理解しておきたい以下のようなデメリットも存在します。

  • 費用・競争率が高い
  • 審査が厳しい
  • 効果測定が難しい
  • 原則個人で出稿することはできない

事前に課題を理解しておくと、駅広告を活用したプロモーション戦略を成功させやすくなります。

費用・競争率が高い

駅広告は、他の広告媒体に比べると費用が高額になりやすい傾向があります。特に、首都圏の主要ターミナル駅では、1週間の掲出でも数百万円から1,000万円を超えるケースがあるので、予算が限られている企業にとってはハードルが高く感じられるでしょう。

また、注目度が高い広告枠は競争率が高いため、必ず希望する時期や場所に掲出できるとは限りません。年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期、新商品発表が集中する時期は、半年以上前からの予約が必要になることもあります。

人気の高い駅や掲出場所では抽選になることが多いので、計画通りに広告展開できないリスクも考慮しておかなければいけません。

審査が厳しい

駅広告は、多くの人の目に触れる公共の交通機関に掲出する広告なので、審査基準が非常に厳しく設定されています。表現の適切性や法的コンプライアンス、社会的妥当性など、多角的な審査が行われるため、出稿までに相当な時間がかかることは押さえておきましょう。

審査で落ちやすい内容の一例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 過度な表現や誇大広告
  • 競合他社の誹謗中傷
  • 宗教・政治関連の内容
  • ギャンブル・アダルト関連の内容
  • 医療法・薬機法に抵触する可能性のある表現

審査で修正指示があった場合は、デザインの変更や文言の修正が必要となるので、さらに再審査の時間が発生します。そのため、掲出開始予定日から逆算したうえで、十分な余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

ただし、厳格な審査があるからこそ広告の信頼性が担保されるというメリットもあります。駅広告を掲出できれば、長期的にはブランド価値向上につなげられるでしょう。

効果測定が難しい

従来の駅広告には、直接的な効果測定が困難という課題もありました。Web広告のようにクリック数やコンバージョン数を正確に計測することができないため、ROI(投資対効果)を算出することはできません。

しかし、近年は「MASTRUM(マストラム)」のような、データの可視化により効果検証しやすいデジタルOOHプラットフォームも登場しています。さらに、ゴンドラのようにWeb施策で培ってきた豊富なノウハウを持つ企業と連携することで、より精度の高い効果測定が可能となります。

効果が見える「MASTRUM(マストラム)」に興味をお持ちの方は、ぜひデジタルOOHを含むプロモーション戦略の立案から制作、効果測定まで支援可能なゴンドラにご相談ください。

原則個人で出稿することはできない

駅広告の基本的な出稿条件は、次のとおりです。

  • 個人名義での申し込みは原則不可
  • 2名以上の構成員からなる団体名義での申し込みが必須
  • 広告内への団体名・連絡先記載が必要

駅広告は広告の責任の所在や内容を明確にする必要があるため、個人名義での申し込みは原則不可です。2名以上の構成員からなる団体名義での申し込みが基本となっており、さらに広告デザインに団体名・連絡先を記載することが求められるなど、ルールが多く設定されています。

詳細な出稿条件や必要書類については、鉄道会社や広告代理店によって異なる場合があります。具体的な手続きについては、各鉄道会社の広告担当部署または信頼できる広告代理店に直接お問い合わせください。

駅広告を掲出する流れ

駅広告の掲出には以下のような複数のステップがあり、申し込みから実際の掲出まで1〜2ヶ月程度の期間がかかります。

  1. 許諾申請・申込み
  2. 広告主(団体)による審査
  3. 広告費の支払いと枠の確保
  4. デザイン制作・審査
  5. 入稿・リリース申請
  6. 広告掲出

ここからは、一般的な駅広告掲出の流れを解説します。

許諾申請・申込み(2~3か月前)

まずは、広告の掲出を希望する駅・場所・期間を決め、鉄道会社または広告代理店に許諾申請を行いましょう。この段階で、掲出可能かどうかの確認と、概算費用の算出が行われます。

人気の高い駅や時期によっては、すでに予約が埋まっている場合があるため、できるだけ早めに申し込むことがおすすめです。特に年末年始、ゴールデンウィーク、夏休み期間などの繁忙期は、半年ほど前からの予約が必要になることもあります。

広告主(団体)による審査

申し込み内容をもとに、鉄道会社による事前審査が実施されます。

審査でチェックされる内容は、「公序良俗に反していないか」「法令に違反していないか」「鉄道会社の掲出基準に適合しているか」などです。この段階では、主に広告主の適格性や商品・サービスの内容についての確認が行われます。

広告費の支払いと枠の確保

事前審査を通過すると、広告枠の正式予約と広告費の支払いが行われます。支払い方法は鉄道会社や広告代理店によって異なりますが、銀行振込が一般的です。

掲出枠の確保が必要な駅広告は前払いが基本なので、掲出開始日の数週間前までに支払いを完了させておく必要があります。トラブルを防ぐため、事前に詳細な期限についてしっかりと確認しておきましょう。

デザイン制作・審査(2~4週間)

広告枠が確保できたら、実際に掲出する広告のデザイン制作に入ります。この段階で最も重要なのは、鉄道会社のデザイン審査基準を満たすことです。

デザイン審査でチェックされる項目の一例は、以下のとおりです。

  • 表現の適切性(誇大広告でないか)
  • 法的コンプライアンス(薬事法、景品表示法など)
  • 技術的仕様(解像度、色彩、安全性)
  • 団体名・連絡先の記載
  • 社会的妥当性

審査で修正指示があった場合は、デザインを修正して再度審査を受ける必要があります。この工程で予想以上に時間がかかることがあるため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。

入稿・リリース申請

デザイン審査を通過したら、最終データの入稿を行いましょう。印刷用の高解像度データや、デジタルサイネージ用の動画データなど、媒体に応じた形式での納品が必要です。

同時に、リリース申請として掲出開始日の最終確認と、施工スケジュールの調整が行われます。

広告掲出

すべての手続きが完了したら、いよいよ広告の掲出が開始されます。

ポスター貼付やシート施工など、媒体によって設置作業の内容は異なりますが、作業は掲出開始日の前日深夜から早朝にかけて行われることが一般的です。掲出開始後は、掲出状況の確認として、正しく設置されているかどうかの写真報告などが提供される場合もあります。

特に、はじめて駅広告を掲出する場合は、審査基準に慣れていないため修正が発生しやすく、予想以上に時間がかかることがあります。スムーズに進行させるには、経験豊富な広告代理店と連携することが大切です。

駅広告に関するFAQ(よくある質問)

最後に、駅広告を検討される際によく挙げられる質問をまとめております。

今後、駅広告の活用をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q. 駅広告とWeb広告、どちらが効果的?

A. 駅広告とWeb広告にはそれぞれ異なる特徴があるので、「どちらが効果的」かは目的によって変わります。

以下のように効果が異なるため、使い分ける、もしくは併用することがおすすめです。

駅広告が有効なケース・ブランド認知度の向上を狙っている
・地域密着型の集客をしたい
・反復訴求による記憶定着を狙っている
・企業の信頼性や権威性を向上させたい
Web広告が有効なケース・詳しく効果測定したい
・分析を希望している
・ピンポイントなターゲティングを希望している
・すぐにアクションへつなげたい(クリック・購入など)
・少額から出稿したい

近年は、「Web広告×デジタルOOH」のクロスメディア戦略を活用することで、それぞれの強みを活かした広告展開が注目されています。

例えば、駅広告で認知を獲得し、Web広告でコンバージョンを促すといった連携施策を取り入れることで、確実に興味をアクションへつなげる後押しが可能となります。

Q. 駅広告の掲出中に内容を変更できる?

A. デジタルサイネージでは一部変更が可能なケースがあります。

一方で、従来のポスター広告や看板広告では、掲出期間中の内容変更は基本的にできませんこれには、「印刷・制作済みの物理的な制約」「再審査による時間とコストの発生」「施工・撤去作業の複雑さ」といったさまざまな理由があるためです。

ただし、法的問題や重大な誤記がある場合の修正や、契約時に変更条件を盛り込んでいる場合は、ポスター広告や看板広告でも変更できる可能性があります。

内容変更の可能性があるときは、契約前に変更可能な範囲や条件を確認しておきましょう。

Q. 小さな会社でも駅広告を出稿できる?

A. 小規模な企業であっても、媒体の条件を満たしていれば駅広告は出稿可能です。地域や広告枠によっては10万円から駅広告を掲出できる場合もあるので、予算が限られている企業でも検討できます。

不安な場合は、地方駅のデジタルサイネージや小型ポスター枠から始めて、効果を検証しながら段階的に拡大していく戦略がおすすめです。

Q. 駅広告の審査で落ちやすい内容は?

A. 公序良俗、法令遵守、誇大表現に関する内容だと、審査に落ちるリスクが高まります。

駅広告は公共性の高い交通機関へ掲出されるので、審査基準が非常に厳格です。特に、以下の内容は審査で落ちやすくなるため注意しましょう。

内容具体例
過度な表現・誇大広告・「業界No.1」「絶対」「必ず」などの断定的表現
・根拠のない効果効能の訴求
・競合比較での優位性の過度なアピール
法的コンプライアンス違反・薬機法(旧薬事法)に抵触する医療、健康関連の表現
・景品表示法違反の可能性がある表現
・表示著作権、商標権を侵害する可能性のあるデザイン
公序良俗に反する内容・ギャンブル、アダルト関連の内容
・宗教、政治的主張を含む内容
・差別的、暴力的な表現

審査をスムーズに通過するには、経験豊富な広告代理店と連携し、事前に審査基準を確認しながら制作を進めることが重要です。

Q. 同じ駅の複数の場所に広告を出稿することはできる?

A. 可能です。むしろ複数の広告を掲出することは、反復訴求効果を高める有効な手法として推奨されています。

複数箇所への広告掲出は、「ジャック広告」や「集中展開」として多くの企業に活用されています。同じ駅の中で広告を複数展開することで、ターゲットとの接触回数を増やし、強いインパクトを残したりブランディング効果を高めたりする効果が得られるでしょう

ただし、人気駅では競争率が高いため、希望する全ての枠を確保できない可能性があります。複数箇所での掲出を希望する場合は、早めの申し込みが重要です。

駅広告の相談ならゴンドラへ

駅広告の出稿をご検討の企業は、ぜひゴンドラへご相談ください。

ゴンドラは「Web広告×デジタルOOH」を組み合わせたクロスメディア戦略で、従来の駅広告では困難だった効果測定を実現。戦略立案からクリエイティブ制作、効果測定まで社内の専門家が一貫対応するため、スピード感のある広告展開が可能です。

  • MASTRUMプラットフォームによるデータの可視化
  • 予算に応じた最適な駅選定と審査対応サポート
  • 初めての広告出稿でも安心のトータルプランニング
  • GA4やサーチコンソールを活用したWeb視点の改善提案
  • 顧客獲得後の関係維持まで支援可能

駅広告を活用した認知獲得から、Web広告によるコンバージョン獲得、その後の顧客との長期的な関係性構築まで一気通貫で対応このトータルマーケティング支援により、費用対効果の高いプロモーションをご提案いたします。

CONTACT お問い合わせ

あらゆる分野のスペシャリストが、お客様と同じゴールを目指して
Web広告からCRM支援まで一気通貫で伴走します。

お問い合わせする

WRITING 執筆

LIFT編集部

LIFT編集部

LIFT編集部は、お客様との深いつながりを築くための実践的なカスタマーエンゲージメントのヒントをお届けしています。

RELATED 関連記事

マーケティング施策で狙った成果を出すために必要な予算獲得の考え方とは?
マーケティング全般
#財務
サムネイルとは?集客率をアップするデザインと作り方をわかりやすく解説
マーケティング全般
#初級
AI検索でSEO対策はどう変わった?~SEO担当者101名に聞く対策の実態と今後の展望~
SEOマーケティング全般
#調査結果
P2Cとはどんなビジネスモデル?成功事例や始め方、マーケティングのコツを紹介
マーケティング全般
#初級

SHOW CASE ゴンドラの事例

FIND ARTICLE 記事を探す