ECサイトは接客で売上アップ!好かれる・嫌われる接客と改善事例を紹介

ECサイトは接客で売上アップ!好かれる・嫌われる接客と改善事例を紹介

ECサイト上での接客は、顧客体験(CX)向上や販売促進など多くのメリットがあります。

本記事では、ECサイトで接客するメリットや成功させるためのコツを紹介します。

ECサイトで接客するときは、顧客に不快感を与える「嫌われる接客」を避け、「好かれる接客」を実施しなければいけません。

嫌われる接客の特徴と、改善するためのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

シニヤン

ビギニャー君が担当しているECサイトを見てみたよ!すごく使いやすく仕上がっていて素晴らしいんだけど、接客力が弱い気がするなぁ。


ビギニャー

接客力、ですか……?ECサイトですし、店舗のように接客することはできないと思うのですが……。


シニヤン

ビギニャー君が担当しているECサイトを見てみたよ!すごく使いやすく仕上がっていて素晴らしいんだけど、接客力が弱い気がするなぁ。

ECサイトにおける接客とは?

ECサイトにおける接客とは、ECサイトを訪問してくれたお客さまに対して行う、オンライン上の接客です。店員がいる実店舗とは異なり、ECサイトでは接客をすることができないと考えている方は多いかもしれません。

しかし、近年はオンラインでも質の高い購買体験をしてもらうために、さまざまな手法で接客が行われています。まずは、これからのECサイトで重要になる接客の基本を学びましょう。

  • ECサイトで接客する手法
  • ECサイトで接客する重要性
  • ECサイトで接客するメリット・デメリット

以下では、上記の3点を詳しく解説します。

ECサイトで接客する手法

ECサイトで接客する手法は、「Web接客」と「オンライン接客」の2種類に分けられます。それぞれが明確に定義されているわけではありませんが、異なるニュアンスで使われることが多いので、意味の違いを理解しておきましょう。

Web接客

Web接客は、人が介在せず自動的に実施される接客を指します。例えば、AIチャットボットによるサポートや自動的に表示されるポップアップなどが該当します。ツールを導入すれば、ユーザーひとり一人に適した提案を自動的に行ってくれるため、効率的に接客できる点がメリットです。

オンライン接客

オンライン接客は、人が介在する接客を指します。例えば、有人チャットやビデオ通話によるサポートなどが該当します。一対一のコミュニケーションが取れるため、ユーザーにより高い購買体験を提供できる点がメリットです。ただし、対応するスタッフが必要になるため、しっかりと人員を確保しておく必要があります。

ECサイトで接客する重要性

総務省によると、世界のEC市場の売上高は2020年に大きく増加し、2021年には542兆円にも上ったことがわかっています。日本のEC市場は28兆円で、中国・米国に次ぐ市場規模を誇っています。

ECサイトを利用して買い物をするユーザーが増えた一方で、実物や店員の顔を見て購入できないことに不安を抱くユーザーが増えていることも事実です。実際、ECサイトで買い物をするときに「サイズや色味はイメージしている通りかな」と疑問を抱いたり、想像と違う商品が届いたりした経験がある方は多いでしょう。

このようなユーザーの不安や不満を放置すると、クレームやECサイトのイメージダウン、顧客離れにつながります。多くのECサイトが乱立する現代、不安や不満を抱えたユーザーは、すぐに他のECサイトに乗り換えてしまうかもしれません。

一方で、購入時に適切な助言や提案があれば、ユーザーは快適かつ安心してECサイトを利用できるようになります。

「このサイトは使いやすい」「いつも的確な提案をしてくれる」と、ECサイトのファンになってくれる可能性もあるでしょう。ECサイト上の接客は、顧客体験の向上や顧客離れを防ぐために欠かせない取り組みであるといえるのです。

ECサイトで接客するメリット・デメリット

ECサイトで接客することには、メリットとデメリットの双方が存在しています。それぞれをよく理解し、デメリットを回避してメリットを最大化できる施策を実施することが重要です。ここでは、メリット・デメリットを具体的にみていきましょう。

ECサイトで接客するメリット

ECサイトで接客するメリットは、次のとおりです。

  • 離脱するユーザーが減る
  • クロスセルやアップセルが成功しやすい
  • 顧客データを蓄積しやすい
  • 顧客体験(CX)を向上させられる
  • 従業員の負担を軽減できる

ユーザーにとって最適なタイミングで最適な提案ができれば、離脱を防いで購入を促進できるようになります。提案への反応やチャットの内容などをデータとして蓄積していけば、より精度の高い接客に役立てられるでしょう。

切な接客で顧客満足度を高められれば、ファンやリピーターへの育成効果も得られます。アプローチを自動化できるAIチャットボットなどを導入することで、従業員の負担を抑えつつ売上向上を狙えるでしょう。

ECサイトで接客するデメリット

ECサイトで接客するデメリットは、次のとおりです。

  • 「うざい」「邪魔」だと思われることがある
  • 適切に行わなければ成果に直結しない
  • 専用のシステムが必要
  • どうしても機械的な対応になってしまう

Webサイトを利用していて、「ポップアップがたくさん出てきて邪魔」「チャットボットがしつこい」などと感じた経験がある方もいるでしょう。オンライン上の接客は、適切に行わなければ成果に直結しません。それどころか、ユーザーに嫌われるリスクと隣り合わせであることを理解しておきましょう。

また、接客を実施するときは専用のシステムを導入するため、導入や学習にかかるコストやリソースを準備しておく必要があります。対面で接客できないぶん、どうしても機械的な対応になってしまう点にも注意しましょう。

ビギニャー

チャットやポップアップの表示とかがECサイトの接客に含まれるんですね!僕も実際に受けたことがありました!でも、邪魔なところに表示されたりしつこかったりで、あまりいいイメージがないんですよね。


シニヤン

うんうん、よくあるよね。実は、嫌われる接客をしてしまっているECサイトってすごく多いんだ。


ビギニャー

そうなんですか?具体的に、どんな接客が嫌われやすいのでしょうか?

ECサイトの「嫌われる接客」とは?

チャットツールやポップアップなどを通して、サービスを提案したりユーザーの要望に応えたりするECサイト上の接客。

一見ユーザーにとって親切な取り組みに思えますが、正しく行わないと「嫌われる接客」になるおそれがあるため注意が必要です。ここでは、嫌われる接客の特徴とそれがNGな理由を説明します。

ECサイトの嫌われる接客

嫌われる接客には、4つの特徴があります。それぞれの特徴を具体例とともにみていきましょう。

お客様のニーズを無視している

1つ目の嫌われる接客は、ユーザーのニーズを無視した接客です。例えば、まったく興味がない商品のポップアップばかりが出てきても、邪魔なだけですよね。ただでさえ不必要な情報であるうえに、見たい商品の情報が隠れたりポップアップを消す手間が発生したりと、多くのストレスを感じてしまいます。

提案がしつこすぎる

2つ目の嫌われる接客は、しつこすぎる提案です。試しにECサイトを覗いてみただけなのに、何度も会員登録を勧められたり高額商品を提案されたりすると、離脱したくなってしまいます。押し売り感が強すぎると、「もうこのサイトを使うのはやめよう」と思われてしまうかもしれません。

提案のタイミングが悪い

3つ目の嫌われる接客は、タイミング悪く提案する接客です。例えば、会計後に割引キャンペーン中の商品の案内を出されると、「会計前に教えてほしかった」とユーザーに不満を抱かせる原因になるかもしれません。不適切なタイミングでの提案は、販売機会の損失や顧客体験の低下につながります。

不必要な情報を提供される

4つ目の嫌われる接客は、不必要な情報の提供です。女性ユーザーに男性向けの商品がおすすめされたり、更新されていない古い情報を提供されたりしても、まったく参考にならなくて迷惑ですよね。いい加減に接客や情報管理をしていると思われ、マイナスのイメージを抱かれてしまう可能性が高いでしょう。

ECサイトで嫌われる接客がNGな理由

ECサイトで嫌われる接客がNGな理由は、一方的な情報の押し売りになってしまうためです。接客の目的は、顧客のニーズをヒアリングして、必要な解決策や商品を提供することです。

一方的に情報を伝えるだけでは、顧客のニーズを満たす提案はできず、企業の自己満足に終わってしまいます。商品について相談したくて店員に話しかけたのに、こちらの要望を聞かずにひたすらおすすめ商品を見せられると、いやな気持になりますよね。

ECサイトにおいても同様で、ニーズに沿わない提案はユーザーにとって迷惑なおせっかいになります。嫌われる接客を続けると、「このECサイトは使いにくい」「何度も同じものが表示されてうざい」と顧客が離れる原因になる可能性が高いでしょう。

ビギニャー

た、たしかに、いやだなぁって思う接客は、この特徴に当てはまります!


シニヤン

シニヤン悲しみ


シニヤン

でしょう?嫌われる接客の特徴がわかったら、好かれる接客に改善する方法も見えてくるはずだよ。一緒に考えてみよう!

ECサイトで「好かれる接客」を実施する方法

ECサイトで接客を実施する最大の目的は、ユーザーに「おもてなし」を提供して購買体験の満足度を高めることです。

その目的を達成するためには、企業が知ってほしい情報を一方的に提供するのではなく、相手の気持ちを考えたアプローチをすることが何よりも肝心です。ここでは、好かれる接客を実施するコツと改善事例をみていきましょう。

「嫌われる接客」を「好かれる接客」に改善するコツ

ユーザーの気持ちに沿った好かれる接客を実施するためにも、次の4つのコツを押さえましょう。

「5W1H」を意識する

ECサイトの接客戦略を立てるときは、「5W1H」を意識してみてください。具体的には、次のようなことを考えていきます。

  • When:お客さまへの最適な接客タイミングはいつ?(サイト訪問時?購入時?)
  • Where:どこで接客すればストレスを感じさせにくい?(アプリ?サイト?)
  • Who:この情報は誰に向けて提案するべき?(新しいユーザー?既存ユーザー?)
  • What:このお客さまはどのような接客を求めている?(問い合わせしたい?商品が見たい?)
  • Why:この接客を通してお客さまにどうなってもらいたい?(無料登録?購入?)
  • How:どうやって接客や提案をすればお客さまに役立ててもらえる?(ポップアップ?チャットボット?)

上記の流れで接客のタイミングや方法、ターゲットごとに提案する情報の中身、提案の目的を整理してみましょう。

このときに重要なのは、ユーザーのニーズや行動を理解したうえで、各項目について考えることです。カスタマージャーニーマップなどのフレームワークを活用してユーザー理解を深めておくと、より質のよい接客戦略を立てられるでしょう。

顧客行動を把握する

ユーザー理解を深めてニーズに沿った接客をするためには、顧客行動の把握が不可欠です。CRMやWeb解析ソフトを使って、ユーザーのアクセス履歴やサイト内の行動を正確に把握しましょう。

「どのページに何分滞在したのか」「どのような共通点を持つ商品を見る傾向にあるのか」などのデータを蓄積しておくと、接客を最適化しやすくなります。

顧客心理を分析する

顧客心理を分析することも、好かれる接客には有効です。ユーザーの行動履歴を蓄積したら、心理状況やニーズを分析しましょう。

「どのようなベネフィットを求めてサイトを訪れたのか」「どのような商品に興味があるのか」

このようなことがわかれば、適切なタイミングで適切な情報を提供しやすくなります。

接客をパーソナライズする

すべてのユーザーに同じ接客をしても、成果を得ることはできません。満足度の高い接客を実現するためには、接客をパーソナライズする必要があります。

顧客の行動・心理分析で得られたデータをもとに、一人ひとりに合ったタイミングで必要とされている情報を提供しましょう。個々のユーザーに適した接客ができれば、サイトの目的を達成しつつ満足度の高い購買体験につなげられます。

好かれる接客への改善事例

上記のポイントをふまえれば、以下のように「嫌われる接客」を「好かれる接客」へ改善できます。

改善事例その1

「サイト訪問時から会員登録を促されていて面倒くさい」⇒「商品をカートに入れたら「今だけ会員登録すると20%オフ」のポップアップが出てきた!欲しかったアイテムも買えるし、せっかくだから登録しちゃおう!」

改善事例その2

「ビビっと来る商品がないし、興味ない商品ばっかりおすすめされているから、自分の趣味に合わないサイトなのかも……」 ⇒「閲覧履歴に関連した、趣味にピッタリ合う商品をおすすめされた!こんな商品もあるならもっと好きなアイテムが見つかるかもしれないし、ブックマークしておこう! 」

改善事例その3

「初めて使う通販のサイト。いきなり無料サンプルの申し込みを急かされて、なんだか怪しく感じる……」 ⇒「購入を迷っていると、2回目の訪問時にポップアップでサンプルもあることを教えてもらえた!押し売りされそうな感じもないし、とりあえず試してみようかな……?」

このような提案をされると、好印象を抱きやすくなりますよね。これらの「好かれる接客」は、訴求内容だけをみると「嫌われる接客」で挙げたものとほとんど変わりありません。

決定的な違いは、アプローチのタイミングや提案する情報の中身です。このように、相手の気持ちを考えたアプローチを意識するだけで「好かれる接客」に磨き上げることが可能なのです。

ビギニャー

なるほど…!お客さまの行動をもとに心理状況やニーズを分析したうえで、人によって接客方法を変えることが大切なんですね!


シニヤン

そう。「お客さまが欲しい情報」を「欲しがっているタイミング」で発信できると、お客さんの信頼度や満足度はグンと上がるんだ。それに購買意欲も刺激できる。


シニヤン

ECサイトで好かれる接客を実施するコツは紹介したとおりなんだけど、より成果につなげたいなら、こういうことも意識してみるといいよ。

ECサイトの接客を成功させるポイント

ECサイトにおける接客戦略を成功させるためにも、以下の6つのポイントを意識してみましょう。

  • 顧客目線で対応する
  • ITツールを活用する
  • 導線を作る
  • 環境を整える
  • 商材やターゲットとの相性を考える
  • 接客以外にも気を配る

各ポイントの詳細を解説します。

顧客目線で対応する

ECサイトで接客するときは、顧客目線の対応を徹底しましょう。好かれる接客で挙げたポイントに加えて、次のようなことも実施できるとなお効果的です。

  • スピーディーに応答する
  • 結論ファーストで伝える
  • +αの提案をする
  • 購入や商品選びのサポートを実施する

インターネット上で行う接客では、相手の表情や話し方を知ることができません。そのため、対応によっては「冷たい」「手を抜いている」と感じられてしまうおそれがあります。

しっかりとユーザーに寄り添う姿勢を伝えるためには、実店舗での接客以上にホスピタリティが重要となることを押さえておきましょう。

ITツールを活用する

ECサイトの接客には、ITツールの活用が欠かせません。Web接客ツールはもちろん、顧客情報を管理・分析するCRMシステムや、ECサイト上での行動を計測するWeb解析ツールも必要になります。必要な機能をイチから構築するサービスもありますし、既存のツールを連携して使用することも可能です。リソースにあわせ、自社にとって最適な接客体制を整えることが大切です。

導線を作る

せっかくECサイトの接客体制を整えても、それをどのように利用すればいいのかをユーザーが理解できなければ意味がありません。誰でも簡単に接客を受けられるように、導線を整えることも重要です。「チャット開始のボタンを見やすい位置に設置する」など、初めて訪問する顧客でもわかりやすい導線を作っておきましょう。

環境を整える

ここでいう環境とは、接客を提供する企業側の環境のことです。スムーズな接客を提供するためには、通信環境の整備や接客シナリオの作成、接客を実施するスタッフへの教育など多くの準備が必要となります。ツールを導入すればすぐに接客を開始できるわけではないため、時間をかけてじっくりと環境を整備していきましょう。

商材やターゲットとの相性を考える

商材やターゲットとの相性をふまえ、本当に接客が必要かどうかを考えてみることも重要です。ECサイトの接客には、顧客側にも知識や準備が求められます。そのため、商材やターゲットによっては接客が向かない場合もあります。

安価な日用品を取り扱う場合や、デジタル機器に慣れていない年齢層をターゲットとする場合は、インターネット上の接客は不要かもしれません。

反対に、購入判断に時間がかかるBtoB商材や高額な商品は、相談しながら決めたいと考えるユーザーが多いため、接客との相性がよい傾向にあります。

ECサイトで接客を導入することが、必ずしも成果につながるわけではありません。商材やターゲットによっては、シンプルなサイト設計にしたほうが満足度を高められる場合もあるのです。

接客以外にも気を配る

ECサイトの満足度や売上向上を目指すなら、接客以外の要素にも気を配りましょう。例えば、次のような取り組みは顧客満足度の向上に大きく貢献します。

  • オムニチャネルの導入
  • サイトデザインやUI設計の最適化
  • EFOの実施

利用のしやすさや居心地の良さは間接的に接客の品質を向上し、顧客体験を高める要因となってくれます。ぜひ、顧客目線で試行錯誤を繰り返しながら、ユーザーに選んでもらえるECサイトを目指してみてくださいね。

ビギニャー

なるほどぉ!先輩にもらったアドバイスをもとに、サイトの接客力向上に取り組んでみますっ!


シニヤン

いいぞ、その調子!ECサイトで接客するためのツールについてもまた説明するから、一緒に戦略を考えていこうね。


ビギニャー

はいっ!よぉし、頑張るぞ~~!

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