Lステップより、待望の「広告連携機能」がリリースされました。この機能により、これまでは困難だったLINE内でのユーザー行動データを、Google広告へ正確に反映できるようになります。
この記事では、広告連携機能の特徴や運用時の注意点を紹介します。
従来のLINE広告運用が抱えていた課題
これまでGoogle広告からLINEに流入したユーザーが「友だち追加」「予約」「購入」などの行動を取ったとしても、その情報を広告管理画面で把握することは困難でした。広告プラットフォーム上で「リンククリック」まで追跡できても、その後のLINE内での具体的な行動を知ることはできなかったためです。
この情報の断絶により、広告の機械学習は「クリックした人」としか判断できず、質の高いユーザーを正確に識別できませんでした。結果として、成果につながる潜在顧客へ効率的にアプローチできず、広告予算の無駄遣いが発生しやすい状況が続いていたのです。
Lステップの「広告連携機能」とは?
今回Lステップに新しく実装された「広告連携機能」は、LINEを使った広告運用をより正確かつ効率的に行うための仕組みです。
ここでは、広告連携機能の特徴を2つ紹介します。
広告経由のコンバージョンをアップロードできる
広告連携機能を使えば、LINE内でのユーザー行動データを自動でGoogle広告にアップロードして、広告の機械学習精度を向上させることが可能となります。
具体的な仕組みを理解できるように、以下の例をみてみましょう。
- ユーザーがGoogle広告からLINEへ流入する
- 流入したユーザーが友達追加や商品購入などのアクションを取る
- 行動情報がGoogle広告のコンバージョンデータとして反映される
- Google広告がコンバージョンデータを学習する
- Google広告は学習したデータをもとに、類似する見込み顧客へアプローチする
この機能により、Google広告は「本当に価値のあるユーザー」のデータを学習でき、確度の高い見込み客を効率的にみつけられるようになるのです。
広告パラメータを自動で取り込める
広告連携機能のもうひとつの大きな特徴が、広告パラメータを自動で取り込める点です。各広告に設定されているパラメータ情報をLステップの友だち情報に直接取り込むことで、どの広告からどのユーザーが流入したかを詳細に分析できるようになります。
この機能があれば、以下のように流入元に合わせてシナリオやリッチメニューを自動でカスタマイズできます。
- 「セミナー広告」経由のユーザー→教育コンテンツを中心とした配信
- 「商品紹介広告」経由のユーザー→購入促進に特化した配信
従来は、広告ごとにLステップで専用の流入経路と専用URLを作成する必要がありました。しかし、広告連携機能なら1つの共通URLで済むため、複数の流入経路を管理する手間がなくなり、運用工数が大幅に削減されます。
「広告連携機能」の効果
すでに広告連携機能を導入している企業では、大きな成果が報告されています。
Lステップ公式ブログ(※)によると、ある企業では、この機能によってセミナー申込数が1.4倍に増加したことがわかっています。また別の企業では、広告パラメータを活用した精密なターゲティングによって申込率が大幅に改善し、同時に運用工数の削減にもつながったそうです。
成果につながったポイントは、広告効果の「見えない部分」を可視化し、データにもとづいた意思決定を行った点です。投資対効果の最大化を図るうえで、広告連携機能は極めて強力なツールだといえるでしょう。
運用時の注意点と対策
便利な一方で、広告連携機能には以下の注意点もあります。
- 友だちになっているユーザーが再度コンバージョンした場合、新規の広告成果としてカウントされる可能性がある
- 複数の経路を経て行動したユーザーが重複してカウントされる場合がある
- ブラウザの設定やURL共有の影響によって正しく成果が反映されない場合がある
これらの課題に対処するためには、定期的な数値検証が不可欠です。オーガニック流入や他のマーケティングチャネルとの比較を行いながら、データの整合性を保つことが重要です。
まとめ
Lステップの広告連携機能は、これまで分断されていたGoogle広告とLINEのデータを統合し、「LINEでの成果を正確にGoogle広告へ反映させる」革新的な仕組みです。
この機能を活用すれば、CPAを下げながら質の高いユーザーを獲得し、カスタマージャーニー全体を一元管理できるようになります。LINE公式アカウントを活用する企業にとって、競争優位性を確立する心強い武器になってくれるでしょう。
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LIFT編集部
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